会津のものづくりを考える 記録映画「からむしのこえ」上映会

 
座談会でものづくりの未来に意見を交わす(右から)鞍田准教授、分藤監督、春日さん

 昭和村のカラムシ文化に焦点を当てて制作された記録映画「からむしのこえ」の上映会と座談会は13日、会津若松市の県立博物館で開かれ、映画を糸口に会津のものづくりを考えた。

 国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)の主催、県立博物館の共催。国立歴史民俗博物館は民俗研究の一環として1988(昭和63)年から民俗研究映像を制作している。研究映像は毎年制作されているが、本県の文化が取り上げられるのは今回が初めて。

 映画はカラー93分で、カラムシの栽培や、その繊維から糸にする様子、全てが手作業でいくつもの工程を経て「からむし織」が完成する様子などを紹介。後継者不足という背景もあって94年に始まった「からむし織体験生」事業や、それらに携わる人のインタビューなども紹介している。上映会には大勢が訪れ、会場の県立博物館講堂は満員となった。

 「会津のものづくりの未来像」と題した座談会も開かれ、信州大准教授の分藤(ぶんどう)大翼(だいすけ)監督、撮影と音響を担当した国立歴史民俗博物館客員准教授の春日聡さん、制作に協力した鞍田崇明大准教授が意見交換した。「からむしのこえ」のタイトルについて、分藤監督は「昭和村で特に印象的だったのが水の音。また、出演者の一人が『からむしの声を聞いた』と話しており、それが印象に残っている」と話した。春日さんも「言葉とは違うが、うめき声ともいえるようなものも含めて表現されていると思う」と述べた。鞍田准教授は「記録にとどまらない映画になっている気がする」と語った。

 分藤監督はカラムシ文化について「厳しい自然との関わりから生まれた、人と人のつながりの中で可能なものづくりだと思う。今後の私たちがどう生きていけばいいのかというヒントが潜んでいる」と語った。