福島医大理事長再任・竹之下誠一氏に聞く 「全県民サポート」

 
たけのした・せいいち 鹿児島市出身。群馬大医学部卒。福島医大病院長、器官制御外科学講座教授、先端臨床研究センター長などを歴任。2017(平成29)年から現職。専門は消化器外科で、特に大腸がん。

 福島医大は17日、3月に任期満了となる理事長の選考会議を開き、次期理事長に竹之下誠一理事長(68)を再任した。任期は4月から3年。竹之下氏は2期目となる。同大は選考会議に先立ち学内有資格者867人を対象とした意向投票を行い、ただ一人の理事長候補者として公示されていた竹之下氏が、総投票数549票のうち541票を得た。無効投票数は8票だった。理事長は学長を兼ねる。

 福島医大次期理事長に決まった竹之下誠一氏は17日、福島民友新聞社のインタビューに応じた。(聞き手 執行役員編集局長・小野広司)

 ―抱負を。
 「ほかの大学にない新しい価値をつくることに組織を挙げてチャレンジする。医療人を目指す子どもたちなど一般県民を含む全ての人をサポート対象に広げ、健康や医療に関心を持つ全ての人が命と体と心について知り、考えることができる地域に根差した大学を目指していく」

 ―重点施策は。
 「先端臨床研究センターが担う、放射性薬剤を使ってがん細胞に直接放射線を照射する『RI内用療法』の研究や、医療―産業トランスレーショナルリサーチセンターでのタンパク質の解析研究など、ほかにない研究成果を充実させ、差別化を図る」

 ―健康長寿への取り組みは。
 「福島医大病院は、特定機能病院として初めて治療から予防にシフトすることを宣言している。健康増進センターを核に、メディアなど多様な組織、人と連携しながら予防の啓発を進める」

 ―来年開設予定の保健科学部(仮称)が目指す教育は。
 「普通の診療放射線技師や臨床検査技師を養成する場ではなく、指導的立場になる人を育てる学部にする。世界最高の検査機器を導入している医大の施設だからこそできる他校より2歩も3歩も進んだ教育を行う」

 ―県内の医師不足が課題になっている。福島医大としての人材育成の在り方は。
 「卒業生が一度外に出てから、福島医大の設備や研究がほかより先に進んでいることを理解して大学に戻ってくることが大切だ。最先端の設備をはじめ、東京で学べないことを学ぶことができる教育体制で、外に出てからやはりここがいいと思わせる環境をつくる必要がある」

 ―双葉郡の医療復興の課題は。
 「2018年4月に開所した県ふたば医療センター付属病院は、24時間救急医療に対応している。今後は、民間病院との役割分担を考えていく必要がある」