「御宸翰」添え状草案の文書発見! 若松・新選組記念館で展示

 
発見された添え状の草案。添え状にない文言もあり、脇に墨で線が引かれている

 幕末に孝明天皇が会津藩主松平容保(かたもり)に贈った「御宸翰(ごしんかん)」と共に保管されていた添え状の草案とみられる文書が、会津若松市で見つかった。添え状は宸翰が贈られた経緯について記された文書で後に明治天皇に宸翰を提出する際に一緒に差し出されたもの。研究者は「(草案は)会津松平家が明治天皇に宸翰をどう説明しようとしたか、その検討過程が分かる貴重な資料だ」と評価する。

 草案は、会津新選組記念館(会津若松市)の高橋一美館長(53)が収集した古文書類の中から発見された。古文書類は、明治天皇への宸翰提出に関わった旧会津藩士秋月悌次郎の実家丸山家に10年ほど前まで所蔵されていた。

 秋月宛ての手紙なども一緒にあったことから、高橋館長は「秋月が草案の作成にも深く関与したのではないか」と推し量る。

 草案には添え状にはない文言も記され、「孝明天皇からいただいた御製(天皇が詠んだ和歌)が入っていた箱は、戊辰戦争の混乱時に失われた」という意味の言葉があり、横に墨で線が引かれていた。

 明治時代の会津松平家を巡る状況を調査する宮内庁書陵部の白石烈(つよし)研究員(41)=いわき市出身=は「箱を失った箇所が抹消されたのは、孝明天皇からいただいた物をなくした負い目や、会津藩が朝敵に指定された戊辰戦争に触れるのを避けたかったという意図があったのではないか」と推測している。

 草案は3月31日まで同記念館に展示している。時間は午前10時~午後5時。入場料は300円(小中学生200円)。