「薬師如来坐像」県重文指定へ 喜多方・熊野神社、12世紀造立

 
木造薬師如来坐像=熊野神社(喜多方市)

 県文化財保護審議会は31日、県の重要文化財(彫刻)に熊野神社(喜多方市)の木造薬師如来坐像附木造十二神将立像を新規指定し、指定済みの重要文化財(絵画)、天然記念物の各1件を追加指定・名称変更するよう県教委に答申した。県教委が7日の定例会で決定し、今月下旬に指定する見通し。

 木造薬師如来坐像は平安時代後期の12世紀に会津地方で造立されたと考えられる。京都で流行していた定朝様の優美で穏やかな造形の影響を忠実に受け継いでいることから、平安時代の会津では仏像彫刻の水準が高かったことがうかがえる。木造十二神将立像は附(つけたり)指定で、薬師如来像とともに伝えられた平安時代の遺品は県内では皆無に等しいほど珍しい。

 重要文化財(絵画)に48点が指定されている白河ハリストス正教会(白河市)のイコンは「聖三位一体」「眠れるイイスス(眠りの聖像)」の2点を追加し、行進用十字架を附指定とする。このうち、聖三位一体は東京・神田駿河台の東京復活大聖堂「ニコライ堂」の至聖所に掲げられたイコンを手本に制作され、白河に送られたと推測される。同種の作品は、栃木県足利などの正教会に存在しているが、白河のものは原則非公開のため保存状態が良い。

 天然記念物に26種50点が指定されている石川町の石川ペグマタイト鉱物は、国内最大級の規模で明治40年代に石川地方の鉱床で最初の組織的な開発地となった和久観音山鉱床を附指定とする。

 同審議会の伊藤喜良会長が31日、県庁で鈴木淳一教育長に答申書を手渡した。