JR常磐線「人身事故」想定訓練 全線再開前に富岡-夜ノ森間

 
人身事故の発生を想定して行われたJR常磐線の救助訓練

 東日本大震災で被災したJR常磐線が3月14日に9年ぶりに全線で運行を再開するのを控え、JR東日本は6日、現在は不通となっている富岡―夜ノ森間(富岡町)で人身事故の発生を想定した救助訓練を行った。

 JR東や双葉署、双葉地方消防本部から約100人が参加。JR東は2011(平成23)年から毎年、常磐線で事故を想定した訓練を行っているが、不通区間での実施は震災後初めて。

 訓練は、5両編成の列車が線路を横断しようとした人をはねて緊急停止したとの想定で行った。乗務員が「けがはありませんか」と車内で呼び掛け、乗客5人の負傷を確認。駆け付けた救急隊員が列車にはねられた人に見立てた人形や、乗客役のJR社員を救急車に運び込んだ。双葉署員による現場検証や車両の状況確認など、列車が再び運行できるまでの一連の作業を約40分で終えた。JR東日本水戸支社の白土裕之安全企画室長は「9年間運転していない不慣れな場所での訓練だったが、スムーズに対応できた」と振り返った。

 常磐線は震災と東京電力福島第1原発事故の影響で富岡―浪江間(20.8キロ)の不通が続いている。帰還困難区域となっている夜ノ森(富岡町)、大野(大熊町)、双葉(双葉町)の各駅周辺の避難指示が3月4~10日にかけて先行解除されることを受け、JR東は不通区間での運行を再開する。