従業員の健康を心配、送ったマスク届かず...中国浙江省に工場

 

 新型コロナウイルス感染症対策で中国・浙江省に滞在していた外国人が、13日午前0時に入国拒否となった。浙江省に関連工場などを持つ福島県内の企業関係者は、現地従業員の健康状態や、操業停止が続いていることによる生産活動への影響を心配する。

 ◆県内企業、現地気遣う

 中国・浙江省に工場がある工作機械製造の長谷川機械製作所(さいたま市)は西郷村に白河工場を持つ。同社の長谷川禅(ゆずる)専務・白河工場長(54)は、2011(平成23)年の同省の工場設立後から、同工場の社長に当たる「総経理」として頻繁に現地へ出張している。「従業員がとにかく心配。従業員と家族に体調が悪い人が出ていないことだけは安心している」と現地従業員を気遣う。

 現在、同省にある工場は操業停止中。長谷川さんは現地従業員と毎日連絡を取り合っており、健康状態や現状などを聞いている。自宅待機を強いられる従業員からは「仕事をしたい」という声もあるという。

 長谷川さんによると、同省の工場の操業再開には、従業員の問診票提出など多くの条件が課せられており、その中で各企業のマスクの在庫数も条件の一つとされているという。中国で入手困難なため、1月後半に日本からマスクを送ったが道路閉鎖などの影響で、いまだ現地にマスクが届いていない。長谷川さんは「操業再開の見通しはまったく立っていない」と話す。

 ◆物流停滞なら大打撃

 コイル製品の開発、製造、販売を手掛ける「アーク」(東京都)は、会津美里町に会津工場、海外拠点として中国・浙江省に平湖工場を構えている。

 同社の担当者(72)は「今のところ目立った影響はないが、人の動きがなくなり、『物流』が滞ると生産活動は大打撃を受ける」と懸念を示した。平湖工場は、12日まで中国当局による工場再開に向けた検査を受けていたため閉鎖していたが、検査を通過して稼働を再開させた。

 現在、会津工場から部品が送れず、平湖工場からは完成品などが届かない状態だ。生産活動の本格的な再開が見通せない状態に担当者は、「少しでも生産を維持させて、再開後に備えたい。来月まで今の状態が続くと販売に影響が出てくるだろう」と気をもむ。

 現地では、中国当局による、感染しているかどうかの抜き打ち検査もあるという。担当者は「社にとって大切な現地の従業員が新型肺炎に感染しないことを祈るばかり。併せて、安全で安定した物流の早期回復を望みたい」と話した。