「医療・商業施設」充実望む 大熊、浪江、葛尾の住民意向調査

 

 復興庁は、東京電力福島第1原発事故による避難指示が帰還困難区域を除いて解除された大熊、浪江、葛尾3町村の住民意向調査の結果をまとめた。

 帰還の可否を判断する場合に必要な要素として、医療・介護福祉施設の再開・新設、商業施設の再開による買い物環境の充実を求める割合が高かった。葛尾村ではイノシシなどの有害鳥獣対策の要望も多かった。

 調査は、復興庁と県、3町村との共同で、浪江町と葛尾村が昨年10月、大熊町が昨年10~11月に行われた。

 【大熊町】復興拠点と位置付けた大川原地区の避難指示解除後初めての調査で「既に町で生活している」の割合は1.8%だった。

 「(将来の希望を含め)戻りたいと考えている」は10.6%(前回比1.9ポイント減)で「まだ判断がつかない」が26.5%(同0.4ポイント減)、「戻らないと決めている」が60%(同0.7ポイント増)とほぼ横ばいだった。

 「判断がつかない」と答えた人のうち「放射線量の低下のめど、除染成果の状況」「帰還困難区域の避難指示が解除される時期の目安に関する情報」との回答割合が4割前後に上った。

 共同調査は7回目。5199世帯の代表を対象に行われ、2160世帯が答えた。回答率は41.5%(同8.8ポイント減)。

 【浪江町】「既に町に戻っている」の割合は6.5%(前年比1.6ポイント増)に上昇した。「(将来の希望を含め)戻りたいと考えている」が11.4%(同0.4ポイント減)、「まだ判断がつかない」が26.1%(同4.1ポイント減)と微減する一方で「戻らないと決めている」は54.9%(同5ポイント増)と半数を超えた。

 帰還の可否を判断する場合に必要な要素を尋ねると「医療・介護(サービス)の復旧時期のめど」が最も高い55.8%だった。「商業・サービス業などの施設の復旧時期のめど」は前年を14.5ポイント下回る36.2%で、昨年7月開店のスーパー「イオン浪江店」が好影響を与えたとみられる。

 共同調査は8回目。7471世帯の代表を対象に行われ、3491世帯が答えた。回答率は46.7%(同6.2ポイント増)。

 【葛尾村】「既に村に戻っている」の割合が28.4%(前年比3.5ポイント増)と3割近くに伸びた。「(将来の希望を含め)戻りたいと考えている」は19.5%(同1.7ポイント減)、「まだ判断がつかない」は18.2%(同5.2ポイント減)と減ったものの「戻らないと決めている」が31.8%(同5ポイント増)と3割を上回った。

 帰還の可否を判断する際に必要な要素は「医療機関(診療科)の拡充」の割合が47.2%とトップで「戻らないと決めている理由」も「医療環境に不安があるため」が5割に達した。

 共同調査は6回目。510世帯の代表を対象に行われ、292世帯が答えた。回答率は57.3%(同2.5ポイント増)。