復興足掛かり、夜ノ森駅周辺にぎわいを 宮本皓一富岡町長に聞く

 
「先行解除が帰還困難区域再生の足掛かりとなる」と話す宮本町長

 JR常磐線の全線での運行再開に向け、10日に帰還困難区域のJR夜ノ森駅周辺の避難指示が先行解除される富岡町。宮本皓一町長は「帰還困難区域の再生こそが真の復興。その足掛かりになる」と古里再生へ決意を語った。

 ―先行解除を町の振興にどう結び付けていくのか。
 「夜ノ森駅周辺にある桜並木は町を代表する観光資源で、先行解除に伴い歩いて観桜できる範囲が広がる。常磐線の運行再開を力ににぎわいを生み出したい。桜の時期以外の常磐線の利用が課題。健康増進施設の整備など町の魅力を高めたい」

 ―3年前に避難指示が解除された地域では住民の帰還の動きが鈍い。打開策は。
 「特に子どもに戻ってきてもらうことが大切。(町内居住者に占める)15歳未満の割合は5%程度。仕事などで避難先に生活の基盤が移った若い世代も多い。現在、産業団地を整備しており、企業誘致を進め若い世代の帰還につなげたい」

 ―帰還の前提として福祉の充実を求める住民も多い。
 「新年度の政策の柱の一つが福祉の充実。来年冬の完成を目指して特別養護老人ホームを整備する。介護予防や健康増進にも力を注ぎ、生き生きと暮らせる地域づくりを進める」

 ―東京電力福島第2原発の廃炉とどう向き合うのか。
 「使用済み核燃料の構内での一時保管に住民の不安は根強い。安全の確保に全力で取り組む。放射性廃棄物も県外搬出が前提だが、最終処分場はない。国がしっかりと対応すべきだ」