東京電力廃炉推進カンパニー最高責任者・小野明氏インタビュー

 
廃炉作業の成果と展望などについて語る小野氏

 東京電力福島第1廃炉推進カンパニーの小野明最高責任者は、原発事故から丸9年を前に福島民友新聞社のインタビューに答えた。小野氏は、地元企業の廃炉への参画を後押しする包括的な計画について、2020年度をめどに策定、公表する見通しを示した。(聞き手・編集局次長 佐藤掌)

 ―計画は具体的にどのような中身になるのか。
 「廃炉産業への参入が活性化して雇用や技術が生まれ、波及することが理想的な復興の在り方だと思う。今後の廃炉の展開を地元企業に示したり、参画しやすい環境整備や地元の将来を担う企業、人材の育成に積極的に協力したい。こうした考えを取りまとめて公表する」

 ―廃炉作業の成果と展望は。
 「計画的、戦略的に廃炉を進められる環境が整ってきたが、これからが大事だ。4月に組織改変し、プロジェクト機能の強化と安全・品質の確保に一層注力する。3号機の燃料取り出しは回数を増やし、来年度いっぱいで搬出を終えたい」

 ―第1原発社員を増員する。本年度、多発した人的ミスの改善につながるのか。
 「東電がもっと現場側に関与する必要があった。本社にいた70~90人を第1原発に移し、プロジェクトや安全・品質、放射線の管理を現場現物を見ながら強化する。トラブルは減らせると考えている」

 ―時間の経過で東電内での風化や気の緩みはないのか。
 「そうしたものは感じない。福島への責任を果たすのが東電の第一命題だ。地元と向き合い、安全・安心を第一に廃炉に取り組む」

 ―県漁連が2020年度にも本格操業への移行を目指す考えを示した。放射性物質トリチウムを含む処理水について東電の説明責任が増したと思う。東電の考えは。
 「風評を小さくする努力と、風評が起きたときに影響をいかに小さくするかの議論が必要だ。東電はこれまでも県産品の魅力や安全性を発信してきたが、新たな取り組みが必要になる。国や関係機関と協議し、必要な対策を取っていく」