東京電力・小早川社長「事故を風化させない」 大熊で社員訓示

 
社員に訓示する小早川社長=福島第1原発新事務本館

 東京電力の小早川智明社長は11日、大熊町の福島第1原発新事務本館で社員に訓示し「事故の反省と教訓を風化させず、安全には終わりがないことを改めて共有したい」と述べた。

 午後2時46分から1分間の黙とう後、小早川氏は「事故の原因を天災として片付けてはいけない。防ぐべき事故を防げなかったことを真摯(しんし)に受け止める」と語った。本県の復興の状況に触れた上で「地元とともに廃炉を進め、復興に貢献する」と強調した。

 福島復興本社の大倉誠代表も訓示。同本社を年内に双葉町に移転する計画に触れ「地域の中に入って活動を続けていく」と話した。

 3月11日の社長訓示は事故翌年の2012(平成24)年から毎年実施。今回は新型コロナウイルス感染症対策で部長級以上の社員約40人だけが参加、残る約660人は管内放送で聞いた。

 田中復興相「福島再生に全力を」 復興庁職員に指示

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から丸9年に合わせ、田中和徳復興相は11日、復興庁で訓示式に臨み「(国が定める)復興期間10年の総仕上げと福島の本格的な復興・再生に向けて全力で取り組んでほしい」と職員に指示した。

 幹部職員を前に、田中氏は復興・創生期間が終わる2021年度以降を見据え「今夏をめどに復興財源フレーム(枠組み)をしっかりと示せるよう検討を進めてほしい」と求めた。復興庁を10年延長する同庁設置法改正案などの早期成立に万全を期す考えも示した。

 新型コロナウイルス感染症の拡大を受け「被災地の復興の進捗(しんちょく)や地域経済に及ぼす影響を把握し、適切な対応をお願いしたい」と述べた。