ブックカフェ「フルハウス」20日開店 人と本...出会える場所に

 
ブックカフェ開店へ決意を新たにする柳さん(右)と松本さん

 南相馬市小高区在住の芥川賞作家柳美里さん(51)の書店「フルハウス」に整備を進めていたブックカフェが20日、開店する。さまざまな人が立ち寄れる場所を目指すカフェの開店に、柳さんは「ようやくここまで来た。この場所で明かりをともしていきたい」と願う。

 柳さんは2018(平成30)年4月に自宅を改装してフルハウスを開店。書店には柳さんの著作や、柳さんと知人らが選んだお薦めの書籍が並ぶ。学校帰りの高校生や地元住民、県内外から訪れた人たちが、お気に入りの一冊を買い求めている。さまざまな人が気軽に立ち寄れる場所をつくりたい。考え付いたのがカフェだった。

 カフェは誰もが入りやすいガラス張りで、設計は東日本大震災などで避難所用の間仕切りシステムを手掛けた建築家の坂茂さんに協力してもらった。コーヒーやケーキのほか、韓国伝統茶などを提供する。カフェの担当は広野町出身で、ふたば未来学園高1期生の松本彩華(さやか)さん(20)=山形県立米沢女子短大2年。松本さんは「人と本、人と人が出会っていく場所を提供していきたい」と話す。

 同市小高区は、東京電力福島第1原発事故により住民が避難を余儀なくされた。昨秋には台風19号や大雨の被害も受けた。「この土地は逆境を経験している。踏ん張りどころ。着実に歩みを進めていきたい」。柳さんは力を込めて語る。

 開店イベントとして、20日午後2時から柳さんと演出家の飴屋法水さん、福島市ゆかりの音楽家大友良英さんが朗読や鼎談(ていだん)などを行う(チケットは既に売り切れ)。営業は午前11時~午後7時(カフェは同5時)。定休日は日曜日と月曜日。問い合わせは同店へ。