郡山の学生を指さし『コロナ』 嫌がらせ受けるケースが複数件

 

 郡山市の70代女性が新型コロナウイルスに感染したことに絡んで、女性の勤めている郡山女子大の学生や関係者らが、見知らぬ人などから嫌がらせを受けるケースが複数件あったことが19日、分かった。識者は「明らかに差別」「あってはならない」などと指摘する。

 関係者などによると、系列校の生徒が知らない男から指をさされて「コロナ」と言われたり、女性の感染について批判する内容の電話やメールが学校に届いたりしたという。

 同大は、女性が立ち入っていない系列校を含め、19日までに構内の消毒を終了。市保健所によると、女性と2メートル以内で会話などをして濃厚接触者とされた大学関係者14人は、19日夕方までに体調不良はないという。

 こうした状況に対し、社会学などを専門とする福島大教育推進機構の前川直哉特任准教授(43)は「明らかに差別。大学やその関係者に差別的なことを言うのは許されない。ウイルスという目に見えない未知のものへの恐れが表れているのではないか。福島は9年前の震災と原発事故で一度経験をしているからこそ、福島ではそういうことがないようにしなければならない」と話した。

 本県の原発事故を巡る集団訴訟で弁護を務める馬奈木厳太郎弁護士(第二東京弁護士会)は「ウイルス感染者を隔離するのは、あくまでも感染拡大予防の観点から」とした上で「ウイルスに感染した本人に責任はなく、差別的な発言は非常に問題だ」と指摘。海外でアジア人への差別的な言動が相次いでいることに触れながら「感染者個人に加えて、今回のような感染者が所属する集団、施設の関係者らを差別したり侮辱する発言はあってはならないことだ」と強調した。