「症状あれば出勤控えて」 新型コロナ・福島県の陽性判明2件

 

 新型コロナウイルスの県内陽性判明は、クルーズ船を降りたいわき市の男性、海外旅行から帰った郡山市の女性の計2件(20日現在)。感染ルートをたどれないケースはまだない。

 県新型コロナウイルス感染症対策本部員会議でアドバイザーを務める福島医大の金光敬二教授(感染制御学)は感染予防策としてマスク着用や手洗いを挙げ「マスクがなければハンカチやティッシュで代用できる。せきが出る場合は袖で口を押さえることも大事」と呼び掛ける。

 具体的な症状として熱やせきを挙げ、県内で確認された陽性患者の状況を踏まえ「なかなか難しいが、10%ぐらい下痢の症状が出る」とも指摘する。

 また、「流行地から帰国後に何らかの症状があるときは、会社に行くのをやめたり大勢でのミーティングはやめてほしい。そして、適正な方法で医療機関を受診する。悩ましい場合は、帰国者・接触者相談センターに連絡してほしい」としている。

 差別防止へ『正しい認識』 

 新型コロナウイルスに関しては医療面だけでなく、感染者や濃厚接触者らへの差別が心配されている。新型コロナウイルス政府専門家会議の尾身茂副座長は19日の記者会見で「感染者や濃厚接触者、その家族らへの偏見や差別につながるような行為は断じて許されない。誰もが感染者、濃厚接触者になり得る状況であることを受け止めていただきたい」と警鐘を鳴らした。

 しかし、県内では郡山市の女性感染者をめぐって、関係者が見知らぬ人などから嫌がらせを受けるケースがあった。

 震災・原発事故の地域への影響や復興を研究してきた開沼博立命館大准教授(社会学、いわき市出身)は「福島は原発事故の後、国内外から差別・偏見の対象となることの不条理を今でも経験し続けている。差別の根本には常に無知と不安がある」とした上で、「自らの無知や不安を、反論のしようのない人に一方的にぶつけること、それが世界的に連鎖している現状を、『3・11』を経験した福島だからこそ止められる可能性がある。(郡山のケースのように)浅薄な嫌がらせは許されない。今後も同様のことが起こり拡(ひろ)がっていくことを食い止められるよう、広く認識が拡がるべきだ」と指摘する。