「早く決断して」 東京五輪の延期検討、県内の聖火ランナー

 
24日に「復興の火」が展示されるJR福島駅東口。列の間隔を空け、観覧時間を制限するなど感染症対策を講じる

 東京五輪の延期を選択肢として検討するという国際オリンピック委員会(IOC)の新方針。26日にJヴィレッジ(楢葉町、広野町)を出発する聖火リレーも規模縮小が検討され、予定通り開催されるか不透明な状況に。福島県の聖火リレーランナーは複雑な思いを示す。

◆中途半端な気持ちになる

 「見る人も走る人も中途半端な気持ちでのリレーになってしまう。延期になったら、また走らせてくれるのだろうか」。初日に走る広野町のNPO法人ハッピーロードネット理事長西本由美子さん(66)は表情を曇らせた。「(延期するかは)リレー開始までに判断すべきだ。翻弄(ほんろう)されているようで複雑な気持ち」と訴えた。

◆福島県スタート変えないで

 陸上女子400メートルの日本記録保持者で、28日の聖火リレーのランナーに選ばれている矢吹町職員千葉麻美さん(34)は聖火リレーについて「福島の今を全国、世界中の人たちに見てもらう機会。もし、延期となった場合でも本県からのスタートは変えずに実施してもらいたい」と訴える。五輪本番について「難しい状況だが延期の検討は残念。選手のためにも延期をするか、しないかの決断を早くしてほしい」とし、北京五輪出場の経験から、「選手は数年前から順序立てて準備してきており延期となればコンディション管理も難しくなる」と話す。

 フリースタイルスキー・モーグルで冬季五輪3大会連続出場し、聖火ランナーに選ばれた遠藤尚さん(猪苗代高卒)は自身のツイッターで「聖火ランナーに選んでもらえたことは光栄な事。でも、世界中で今この状況で果たして聖火ランナーとして動くべきなのか。今一度考えている時だと思う。大人の事情なのか世界の事情なのか沢山(たくさん)の人が亡くなる中、聖火を運ぶべきなのか」と思いをつづった。

 一般ランナーの参加を取りやめる案が浮上する中、新地町でランナーとして聖火を運ぶ予定の会社員鶴岡拓弥さん(24)は「予定通りの形でできないなら無理してやらずに、大会も含めて全て延期にして万全な体制で開催した方がいい」とする。

◆「復興の火」24日に福島駅前へ 

 東京五輪の聖火は24日、福島市のJR福島駅東口駅前広場で公開される。26日にJヴィレッジ(楢葉町、広野町)から始まる国内聖火リレーを前に、東日本大震災で被災した宮城、岩手両県と本県を巡回展示する「復興の火」の一環。

 式典は24日午後2時30分から行われ、福島市の小、中学生がランタンを運んで聖火皿に点火する。展示は午後5時まで。リレー開始前日の25日は午後2時30分~同5時にいわき市のアクアマリンパークで聖火がお目見えする。