第1原発・処理水500~600倍に希釈 海洋放出時の東電検討案

 

 東京電力は24日、福島第1原発で発生する放射性物質トリチウムを含む処理水を海洋放出すると想定した場合、海水で500~600倍に薄め、国の基準の40分の1未満とする処分方法の検討案を初めて公表した。廃炉が完了する予定の2041~51年までに放出を終えたいとしている。

 国の基準では海水中のトリチウム濃度は1リットル当たり6万ベクレルが上限とされている。処理水のトリチウム濃度は1リットル当たり平均約73万ベクレルだが、東電は、第1原発敷地内でくみ上げ海に放出している地下水と同レベルの同1500ベクレル未満に薄めることを想定している。新たな風評被害を抑える狙いがあり、発生した場合は「適切に賠償対応する」との方針も盛り込んだ。

 政府の小委員会が報告書で海洋放出とともに記載した大気放出については、ボイラーで加熱して気体にした後、空気で希釈して排気筒から排出することで国の基準を満たすとした。

 風評対策では、測定結果の公表や海外向けの情報発信を強化するとしたが、賠償の具体案は示さなかった。経済産業省は4月6日の福島市を振り出しに、県や市町村、業界団体などの意見を聞く会合を開催する方針で、東電は同省から技術的な素案を示すよう求められていた。