新鮮地元野菜こだわり 福島・飯坂の夫婦、農家レストラン開業

 
旬野菜のグリルなどを取り入れたランチメニュー

 福島市のアスパラガス農家、鈴木敬行(よしゆき)さん(46)と侑香(ゆか)さん(34)夫婦は4月、同市飯坂町に民家レストラン「SUZU 農家のレストラン」をオープンさせた。「有名な産地のものよりも、取れたての福島の食材をおいしく食べてもらいたい」。夫婦二人三脚で県産農産物の魅力を発信している。

 東日本大震災後に料理人を辞め、家業の果樹農家を継いだ敬行さん。収入を増やすためアスパラガスの栽培を始めると野菜農家のつながりができ、地元で取れる野菜のおいしさを再認識した。その野菜のおいしさをさらに引き立てる飲食店の存在も刺激になり、開業を決意した。

 2年前に購入した築40年ほどの自宅を改装し、1階を飲食店スペースに。「心と身体にじんわりとおいしさが染みわたる料理」をテーマに洋食メニューを提供する。自ら栽培したアスパラガスのポタージュをはじめ、旬野菜のグリル、アップルパイや焼き菓子も好評だ。

 市内のホテルで料理人をしていた敬行さんが調理を担当。侑香さんはホール係やスイーツ作りを担う。店内ではお薦めの農産物や加工品なども販売している。

 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、当面は座席の除菌や換気を徹底しながら、1組限定の完全予約制で営業する。「落ち着いたら少しずつ受け入れを増やしたい」と前を向く。

 午前中は農作業を行い、金曜日と土曜日に昼から夕方まで営業する。あくまでアスパラガス作りが本業。多忙になっても「楽しんでやろうと思っている」と自分たちのペースを心掛ける。

 「自分の店を持つのが長年の夢だった。開業まで10年かかった。精神面での体力はあるのかもしれない」と結婚10年目で新たなスタートを笑顔で語る2人。「料理を食べて、取れたての野菜を見て、家で料理したいと思ってくれたら幸せ」と話す。