357旧市町村ごと安全確認 福島県産米の抽出検査・骨子案

 

 本年度から行われる福島県産米の抽出検査を巡り、検査手法をまとめた骨子案の概要が分かった。県が検査前に出荷自粛を要請した上で、357の旧市町村ごとにコシヒカリやひとめぼれなどの「一般米」は3点、収穫時期が早い「早場米」は旧市町村または生産者ごとに1点を調べる。検査で食品に含まれる放射性物質の基準値(1キロ当たり100ベクレル)以下が確認できた旧市町村から順次、要請を解除、安全性を担保した流通態勢を構築する。

 検査点数は、「旧市町村単位で3点を目安」とした国の指針を踏まえた。早場米は、旧市町村ごとに生産者当たり1点を検査するが、生産者が複数の旧市町村にまたがって生産している場合、旧市町村ごとに1点ずつ調べる。一般米よりも早く検査することで流通態勢を確保する。

 早場米の検査点数は、その後に行われる一般米の検査点数の内数として扱う。このため、早場米で2点の安全性が確認されれば一般米の検査は残り1点となり、3点になると、一般米の検査結果を待たずに自粛要請を解除する。

 検査は食品衛生法で登録された県内外の検査機関で、県が実施。時期は早場米が8月下旬~9月上旬、一般米は9月下旬以降の見通し。自粛要請は稲刈り前の8月上旬ごろを見込んでおり、自家消費や親戚に配る無償譲渡なども対象になる。県はJAなどに骨子案の内容を通知しており、関係団体の意見を踏まえ、早期に実施要領を策定する。

 県産米は2015(平成27)年産以降、基準値を全て下回っている。県は基準値を超えるコメが通算5年間出ないことを条件に、抽出検査に移行する方針を示していた。原発事故に伴う避難指示が出るなどした12市町村のうち、11市町村で全量全袋検査を継続し、川俣町は旧避難区域の山木屋地区を除いた地域で抽出検査に移行する。南相馬市と田村市は避難指示が出た地域と、ほかの地域で作付けされたコメを区分することが難しいことから、全域で全袋検査を続ける。

 1950年当時にあった406の旧市町村のうち、全袋検査の対象となる48市町村とコメを作付けしていない1村を除く、357市町村が抽出検査の対象となる。