夜の街まばら...客足はいまだ「自粛」 休業要請解除から1週間

 
緊急事態宣言解除後の郡山市の繁華街。人通りはまばらだ=20日午後9時30分ごろ、郡山市

 新型コロナウイルス感染拡大に伴う県の休業要請が解除されて22日で1週間が過ぎた。経済活動再開のスタートラインとして期待されたが、消費者の気持ちはいまだ「自粛ムード」から抜けきっておらず、夜の街に人の姿はまばらだ。飲食店からは「夜は出掛けないという習慣が、このまま定着してしまわないだろうか」と、客足が戻らない現状に焦りの声が上がる。

 「毎日が大みそかみたい」。喜多方市の郷土料理の店「会津田舎家」の店主佐藤定喜さん(63)は夜の静けさをそう表現する。大型連休後から再開したが、売り上げは6割以上落ち込んでいる。会津若松市の居酒屋「ゑびす亭」の店主高野豊さん(55)も「お客さんは戻っていない。元のようになるのは、一体何カ月先になることか」と嘆く。

 一方、須賀川市の酒場「焼き鳥とり峰」は20日夜、感染拡大前よりは若干少ないものの、にぎわいを見せていた。社長の伊藤拓さん(46)は「明るい兆しが見えてきた」と手応えを語る。しかし「だからといって『ぜひ来てください』と大々的に宣伝をするのもどうか」と、「3密」の回避などが叫ばれている中での集客にジレンマを抱える心境を明かした。

 接待を伴う飲食店については自粛要請が続く。郡山市でカラオケスナックを経営する50代女性は1週間前に再開したが、客は1日1組ほど。「期待して夜中まで店を開けていてもお客さんは来ない。店に1人でいると、精神的にもきつい」と声を落とす。いわき市でスナックを営む女性(70)も客が多い日でも1桁にとどまっている現状を明かし「感染への警戒に加え、周囲の目を気にして飲みに出掛けられないという人もいるのでは」と指摘した。

 本宮市の「キッチンパブ・スナックしょうげつ」の店主松山恵津子さん(72)は31日までの休業を決めた。「1次会から2次会に行くような人の動きがない。まだ自粛ムードは解けておらず、しばらく様子見の状況が続くだろう」と、常連客の来訪に期待する。

 伸び悩むタクシーや代行業者

 タクシーや代行業者も厳しさが続く。福島市の大和自動車交通は以前は1日当たり30台ほど稼働していたが、今は昼間は10台、夜は3台程度。飲食店が立ち並ぶ同市のパセオ通りで待機していた運転代行業者の男性(73)は「営業を再開する店は増えたけど、出歩く人はいない」と肩を落とす。

 いわき市のタクシー会社に勤める運転手の男性(73)は、これまで日中は、県外から来るビジネスマンの利用が多かったと打ち明ける。「県をまたぐ移動の自粛が続いているため利用がない。昼も夜も客がおらず、どうしようもない」