福島県「ホテル・旅館」活用!災害避難所・コロナ感染防止対策

 

 県は、豪雨災害などに伴う避難所での新型コロナウイルス感染防止に向け、民間のホテルや旅館などを避難所として活用する。市町村が指定した施設の利用料金の半分を県が負担する仕組みで、重症化リスクの高い高齢者や妊婦、基礎疾患がある人を対象に受け入れを進め、早期避難につなげる。

 31日にウェブ会議で開かれた昨年10月の東日本台風(台風19号)の災害対応を検証する県の第三者委員会で、これらの取り組みを盛り込んだ中間報告が大筋でまとまった。中間報告には早期避難を促す県や市町村の取り組みが明記され、県は梅雨や台風時期に備え、県民向けのメッセージを作成して周知する方針だ。

 ホテルや旅館の活用について、県は1人当たり1泊3食付きで7000円(消費税抜き)と入湯税を合わせた経費の半分を補助。いわき市などが関心を示している。事前に市町村などが受け入れ人数や施設を調整し、迅速に避難できる態勢を構築する計画だ。このほか県は市町村が避難所で実施する感染症対策の経費の半分を補助する。

 県は中間報告の策定に当たり、台風19号などで被害を受けた13市町の約1万3000人にアンケートを実施。その中には「1歳児が高熱で避難所に行けず、自分も妊娠中で避難を断念した」との意見もあり、新型コロナを含めた感染症対策が重要となっていた。

 またアンケートでは、「身の危険を感じた」など切迫した状況で避難した人が多いことが判明。そのため中間報告では、河川の水位など危機感や切迫性を持たせる避難情報が重要とし、空振りを恐れず避難情報を早期発令するよう市町村に求めた。さらに市町村には、障害者らを含む「避難行動要支援者」の名簿を共有するための条例制定の必要性を指摘。住民が事前に避難計画を立てられるよう、水害や土砂災害のハザードマップの周知も重要とした。

 台風19号と記録的大雨により、県内では計33人(福島民友新聞社調べ)が犠牲となり、住民避難に課題を残した。第三者委は迅速で的確な避難行動に向け、8月に最終報告書をまとめる。