「福島いのちの電話」コロナ相談2カ月で4倍 女性の割合増加

 

 新型コロナウイルスの影響が長期化する中、自殺を防ぐ活動に取り組む「福島いのちの電話」に感染症に関連した相談が相次いでいる。相談は多岐にわたり、60~70代の高齢者からの相談も多いという。担当者は「先行きが見えないことが、自ら命を絶つことの引き金になりかねない」と警戒を強める。

 「コロナで就活(就職活動)ができない」「マスクをしていない人を見ると、不安で怒りを感じる」「とにかくイライラする」―。福島いのちの電話には、新型コロナウイルスの感染が拡大して以降、こうした相談が増えた。主に新型コロナに関連した相談は2月が全体の2.8%だったのに対し、3月には7.5%、4月は12.4%と増えた。

 相談内容は、経済関連や心理的なもの、人間関係などさまざま。福島いのちの電話の三瓶弘次事務局長は「会話は気持ちを落ち着かせる効果がある。誰かとつながるには電話が最適なのだろう。鬱積(うっせき)した気持ちを訴えたいのでは」と分析している。状況が常に変化していることから、「相談内容も変化していくと思う」と話す。

 東京電力福島第1原発事故の際には若い世代が多かったが、新型コロナ関連の相談者は年齢層が変化。高齢者からの相談が増えているという。「一般論として高齢世代は先行きに不安を感じて孤立し、自殺することが多い。自殺者が増える危険性は高くなるだろう」と危惧する。

 男女別では男性が約4割で、女性が約6割(4月)。女性の割合が男性を上回り、5月も同様の傾向が続いた。福島いのちの電話に寄せられる相談の6割は男性だが、新型コロナに関しては女性の相談の割合が増加傾向にある。三瓶事務局長は「特異な状況。外出自粛などでストレス発散やおしゃべりの機会が減ったことが影響しているのでは」とみる。

相談員減らし維持 全国各地にある「いのちの電話」の中には電話相談業務を休止したところもあるが、福島いのちの電話では相談員や電話回線を減らすなどしながら相談業務を継続している。三瓶事務局長は「自分の気持ちを電話で話すことで、物事を深刻に考えるブレーキになればと活動を続けている。これからも相談者に寄り添っていきたい」と話す。

 悩み相談は福島いのちの電話(電話024・536・4343)。