伝統の「遠野和紙」本格活用 名刺や感謝状など、いわき市役所

 
清水市長に名刺を届けた(右から)シルヴィアさん、祐さん、綾子さん

 いわき市は本年度から、同市遠野地区に伝わる伝統和紙「遠野和紙」について、市役所内での活用を本格化させている。地域振興課が各課に和紙を使用した名刺の作成などを呼び掛けている。

 遠野和紙はコウゾとトロロアオイを使用し、手すきで作られる。400年以上の伝統があるが、2014(平成26)年に伝統を受け継いできた最後の和紙職人が亡くなった。その後「地域おこし協力隊」のメンバーが、和紙すきの経験がある住民らのアドバイスなどを基に復活させ、伝統を引き継いでいる。

 コウゾとトロロアオイは地域のボランティアや学校の協力を得ながら、休耕田や学校の花壇などを活用して生産。本年度に入り、原料の生産体制が安定してきたことから、庁内での活用を推進している。名刺のほか、寄付者への感謝状や、遠野地区の学校で卒業証書として活用されている。

 一般への発売については、来年4月以降を予定している。同協力隊メンバーで、本年度で任期が満了する平山祐さん、綾子さん夫婦が事業化を目指している。

 平山さん夫婦と、協力隊メンバーのギャラハー・シルヴィア・エティさんは2日までに、完成した名刺を届けるため市役所を訪問し、清水敏男市長に名刺を手渡した。