「10万円給付」...目立つ申請書類不備 態勢整え急ぐ県内市町村

 
給付金の支給事務が行われている郡山市役所の一室。感染症対策を徹底した上で作業を急いでいる

 新型コロナウイルス対策として国民に一律10万円を給付する特別定額給付金の支給が県内で本格化している。ただ、申請が殺到する中、書類の不備や記載ミスなども相次ぎ、給付まで時間を要するケースも。対象件数の多い市などは作業人員を増やしたり、オンライン申請を取りやめるなどして早期支給に向け対応を急ぐ。

 「支給が目標に届いていない。作業を早めてほしい」。福島市の幹部は5月下旬、業務委託した企業に要請した。市では10万円の振り込みの事務作業が追い付かずに支給が遅れた。感染症の影響で、受託企業が人員を集めることが難しい状況にあったのが原因という。

 同市では対象約12万4000件のうち、3日現在約10万7000件の申請がある。市は生活困窮者向け窓口の開設など独自の工夫を講じてきたが、郵送申請の受け付けを始めると、一気に申請書が届き、受託企業の事務作業がパンクした。

 人員の態勢強化を図り、ようやく先が見通せるようになり、2日から支給目標の「1日1万件の振り込み」が可能に。3日現在申請のあった約25%で振り込みを完了したという。

 ただ、郵送で届いた申請書の約2割に不備があるという。不備の多くは本人確認書類や口座情報資料のコピーが不足していたり、申請書に押印がないなど。詐欺の懸念からやりとりは原則郵送としている。担当者は「不備があった場合、再送など必要な手続きが完了次第振り込んでいる」とした。

 複数申請など誤入力のあったオンラインを終了し、郵送のみとした郡山市。事務作業者を当初の倍の100人まで増やし提出書類を「3重」で確認している。担当者は「当初予定より多少の遅れはあるが、オンラインが終了したことで業務を給付事務に向けられる。スピードアップしたい」と話す。3日現在、申請に対し約2割の給付を終えた。

 いわき市はプロジェクトチームをつくり対応。郵送での書類の不備のほかオンラインで世帯主以外の家族が申請したり、人数を間違えるなどの誤りがあるという。1日現在の給付件数は864件。確認作業を進め、今後振り込みを本格化させる予定。会津若松市は先月末までに対象の約8割から申請があった。担当者は「今が一番のピーク」と語る。書類が市に届いてから給付までに2~3週間必要だが、4日までに1万2512件の給付を予定する。

 二重交付の天栄、手続き大半完了

 一方、375世帯に二重交付するミスがあった天栄村。村は該当世帯に返金を依頼し、5日ごろに全額回収の見通し。「早く届けたいという思いがあったが、一般業務に加えコロナ対策、給付事務で時間と人手に難しさがあった」と担当者。チェック機能を強化し大半で給付手続きを完了した。

 先駆けて給付を始めた相馬市も3日までに大半の給付を終了。ただ、高齢者や障害者世帯など何らかの理由で申請できていない世帯がいるとみられ、担当者は「申請したくてもできない世帯をカバーできるよう手だてを考えたい」とする。