赤べこに『恋』したフランス女性...魅力的イラストのグッズ販売

 
かわいらしい赤べこのグッズ制作を通し、福島の魅力を発信しているエミリーさん。イラストは独学で、「失敗したらやり直す」を繰り返し自分のイメージを表現する

 にっこり笑った赤べこが自転車に乗り、鶴ケ城を散歩中。かわいいイラストの作者は、フランス出身の語学講師ブケ・南口(なんこう)・エミリーさん(31)=横浜市。会津旅行をきっかけに、「美しい福島のことをフランスの人にもっと知ってほしい」と赤べこのイラストを描き始め、インターネットでの情報発信や「赤べこグッズ」販売を通し、本県のアピールに力を入れている。

 エミリーさんが福島に興味を持ったのは2018(平成30)年。それまでは東京電力福島第1原発事故があったということしか知らなかったが、本県出身の生徒から福島の話を聞いて関心が高まり、同年夏に初めて南会津や会津若松市、五色沼などを旅した。

 赤べこを初めて見たのは裏磐梯のホテル。「実はあまりかわいいとは思いませんでした」と当時の気持ちを正直に打ち明ける。しかし、横浜に戻ってからも赤べこや福島のことが頭から離れず、イラストに描くようになった。旅行後に福島出身者と知り合うなど周りに本県関係の人が増えたことも重なり、急に福島が身近に。「福島や赤べこと私とのすてきなラブストーリーが始まりました」

 その後は日本人の夫と一緒にインターネットで赤べこについて調べ、自身が運営するフランス語学習などのサイト「メリエマリス」でイラストを公開した。

 赤べこを好きな理由は「自分に勇気をくれたから」。以前は何事にも自信が持てなかったというが、赤べこを描いていると、赤べこが病気から人々を助けたという伝説のように「自分も何かできるのでは」と感じ始め、自信が生まれたという。「私にとって『パワー』をくれるお守りです」と、「赤べこ愛」を熱く語る。

 何度か本県を訪れるうち「もっと福島をアピールしたい!」と考え、グッズ制作も開始。赤べこの家族を描いた絵はがきやバッジ、シール、県内の名所などを描いた地図などを作っている。地図はサイトに詳しい解説も載せている。赤べこグッズを作る際に大切にしているのは「ポジティブ(前向き)なイメージ」。「イラストを見て笑ってくれたらうれしい。笑ってポジティブな気持ちになると、人は前進できる」と考えている。

 グッズはサイトで販売。絵はがきとイラスト各4枚、日本語、英語、仏語での赤べこの説明書、手書きの地図、ホルダーをセットにした「赤べこボックス」(税込み千円)もある。売り上げの1割は本県のペット救済に寄付する。問い合わせは「メリエマリス」のサイト(https://www.melietmalice.com)へ。