がんや疑い浜通り最多 甲状腺3巡目検査、年齢・性別考慮せず

 

 東京電力福島第1原発事故による健康影響を調べる「県民健康調査」検討委員会の甲状腺評価部会が15日、福島市で開かれた。県内の子どもを対象に行われている甲状腺検査のうち、2016(平成28)年度から始まった3巡目検査について、がんやがんの疑いと診断された患者の地域別割合は、いわき市、相馬市、新地町からなる浜通りが最も高いとの結果が報告された。

 ただ、この検査結果について検査主体の福島医大の担当者は「地域によって年齢や性別の割合に違いがあり、それらを考慮しない条件下での結果だ」とした。

 3巡目検査の結果を地域別で見ると、10万人当たりの患者数は浜通りが29.1人で最も多く、事故の避難区域に指定された沿岸部など13市町村が22.2人、会津地方が18.1人、中通りが6.6人だった。

 中通りの患者数が他地域と比べ突出して少ない理由として、福島医大の担当者は「(細胞を採取して調べる)細胞診の実施率が中通りで低いことが挙げられるが、はっきりとした見解はない」とした。

 部会員からは、中通りでは細胞診実施数に対する悪性・悪性疑いの割合も他地域より低いとして、検査機関によって検査精度に差がある可能性について調査を求める意見などがあった。

 また評価部会では、甲状腺検査の3月末時点の結果が公表された。1~4巡目と25歳時の検査を合わせると、がん確定は昨年12月末時点から4人増えて195人(手術で良性と確定された1人を除く)となった。評価部会は新型コロナウイルス感染防止のため、テレビ会議で開かれた。