都道府県間「往来」解除!観光地再出発 安全で安心な福島県へ

 
入り口に設置され、画面に来場者の体温が表示されるサーマルカメラ=19日、福島市・古関裕而記念館

 新型コロナウイルスの感染拡大による都道府県間の移動自粛が緩和された19日、県内の観光地では「本格的な売り上げ回復につながれば」と、利用者を迎え入れる従業員の姿があった。一方で「また感染が拡大したらどうなるのか」との不安の声もあり、それぞれの業種に応じた感染防止対策に工夫を凝らしての再出発となった。

 「やっとですね」。会津若松市・東山温泉の「御宿東鳳」は、緊急事態宣言を受けた休館から、59日ぶりに営業再開した。入り口で宿泊客を迎えるスタッフに、自然と笑みがこぼれる。

 再開初日は約200人が宿泊。利用者の「密」を避けるため、受け入れは全160室のうち80室までとした。ビュッフェの料理を小皿に盛り付けたり、ドリンクバー近くに綿棒を用意してボタンを手で押さなくてもいいようにしたり、おもてなしには十分な配慮を巡らせている。女将(おかみ)の芳賀美佐子さんは「この日を楽しみにしていた。お客さまにお願いする部分も多いが、安全・安心を徹底していきたい」と話した。

 再開準備進む「ハワイアンズ」

 首都圏からの来場が見込まれるいわき市のスパリゾートハワイアンズは、7月1日の宿泊施設再開に向け準備を進めている。

 人気のポリネシアンショーは、最大で1200人が観覧できる。しかし、グループごとに距離を空けて座ることができるように席を配置することで、観客を500人程度に抑える予定だ。

 18日には、井上直美社長はじめ社員約30人が来場者役となり再開に向けたリハーサルを行った。実際に来場者を想定して席に座りながら、「座ることができない席の目印を見やすくしよう」「案内のスタッフをもっと多く」など、安全で安心な迎え入れに向けて社員のアイデアが飛び交っていた。

 朝ドラ「エール」で全国から注目される福島市の古関裕而記念館。19日から県民に限っていた入館制限を解除し、県外からの観光客も受け入れるようにした。感染防止策として、入り口に体温チェックのためのサーマルカメラが設置され、職員が入館者の体温をチェックしていた。

 「県外からの来館者が多かった」と村上敏通館長。19日の入館者147人のうち県外は88人。宮城、栃木、茨城と近県が目立つ。館内が混まないよう一度に入館できる人数制限は続ける。村上館長は「感染対策を講じながら古関さんの功績をPRしていきたい」と遅咲きの"朝ドラ効果"に手応えを感じていた。