雄大な自然そこに...「尾瀬」7月1日入山制限解除 感染対策徹底

 
ワタスゲなどの植物に囲まれる尾瀬沼。7月上旬にはニッコウキスゲが見ごろを迎える

 福島県など4県にまたがる尾瀬国立公園の入山制限が7月1日、解除される。新型コロナウイルス感染症の影響で中止となっていた檜枝岐村からのシャトルバスの運行が始まり、一部の山小屋の営業も再開する。ようやく始まる尾瀬シーズン。関係者は感染症対策を整えながら、登山客を待ちわびる。

 「不安はあるが、尾瀬の関係者や入山者みんなが協力し、感染者ゼロでシーズンを乗り切りたい」。同村営宿舎「尾瀬沼ヒュッテ」の平野順二支配人(50)は力を込める。制限解除を控えた29日、沼山峠口から徒歩約1時間の同施設では、村内からヘリコプターで食材を運ぶなど、登山客の受け入れ準備が進んでいた。

 感染症の拡大を受けて檜枝岐村は、本県側の尾瀬の入り口となる御池駐車場を閉鎖。本県側からの登山はできない状況が続いていた。1日に入山制限は解除されるものの、山小屋の再開は檜枝岐村側にある10カ所のうち、6カ所にとどまる予定だ。

 このうち最大40人の宿泊者を受け入れる尾瀬沼ヒュッテは、感染症の予防対策を徹底する。消毒液の準備をはじめ、これまで自然保護の観点から禁止してきたシャンプーやせっけんの施設内使用を認めるほか、密室を避けるため屋外に着衣の乾燥スペースも設けた。さらに、昨年までは相部屋が多かったが、今シーズンは新たにカプセル式のベッドも導入。宿泊者の数も調整するなど対策を徹底する予定で、平野さんは「これからは花の季節になる。安心して尾瀬を楽しんでほしい」と話す。同施設によると、7月の予約は約700人を数えている。

 1日は、檜枝岐村内の民宿なども「3密」を避けて続々と営業を再開する予定。尾瀬ではワタスゲの季節が間もなく終わり、7月上旬にはニッコウキスゲが見ごろを迎えるという。

 ◆遭難時、発熱ならヘリ救助行えず

 ようやく本格化する尾瀬登山だが、今年は注意点もある。村などによると、例えば遭難した場合でも熱などがあればヘリコプターでの救助は行えず、地上からの救助の際も感染対策を講じるため、下山まで数時間以上かかることが想定されているという。そのため関係者は、万全の体調での登山を呼び掛けている。