『土にかえる杯』製品化 若松・三義漆器店、植物由来プラに会津塗

 
約20種ある「紫翠盃」を手に意識の高まりを訴える曽根社長

 使い捨てプラスチックによる海洋汚染が深刻化する中、会津若松市の三義漆器店は、植物由来のプラスチックに会津塗で加飾した「紫翠盃(しすいはい)」を製品化した。土中で最終的に水と二酸化炭素のみに分解され、土にかえる素材を使用。曽根佳弘社長(56)は「手に取る人が多いほど環境への意識が高まる。会津の伝統技術を生かし、地球環境に貢献する動きを世界中に広めたい」と意欲を見せる。

 紫翠盃の素材は、でんぷんや搾ったサトウキビ汁、乳酸菌を原材料とする生分解性プラスチック。同社の工場で成型後、植物由来の漆で保護、加飾する。小松技術士事務所(いわき市)の小松道男所長が推進する海洋マイクロプラスチック削減への取り組みに感銘を受けての製品化で、杯(さかずき)の金型はペッカー精工二本松営業所が手掛けた。

 三義漆器店は一貫製造工場で漆器を量産できるが、仲間や賛同者を増やし、会津からの発信のモデルにしようと、会津の若手塗師、蒔絵(まきえ)師7人に塗りや加飾を外注した。加飾前の杯は木と違って無色透明のため、職人の感性でさまざまな加飾が可能。今までにない魅力を持った個性的な製品が続々と誕生したという。

 現在は約20種類あり、価格は加飾の種類により2000~1万円という。貝殻の輝く部分を貼る螺鈿(らでん)の技術を生かした作品もある。7月から販売を本格化する。

 使い捨てプラスチックによる深刻な海洋汚染対策として、国内ではプラスチック製レジ袋の有料化が進む。曽根社長は紫翠盃を第1弾に、さらに製品を増やし生分解性素材の普及を目指す考えで、「木より薄くて軽く、木では難しい形にすることもできる。できることから地球環境に貢献していきたい」と話している。