目離せぬ企業動向...コロナ禍の就活 新規高卒者求人公開始まる

 
進路指導室に張り出された求人票を見る生徒=福島商高

 来春卒業予定の高校生を対象とした求人公開が1日、県内各校で始まった。新型コロナウイルスの影響で経済の先行きへの不透明感が続く中、企業の採用活動への影響も懸念されている。就職希望者の多い高校などでは、生徒の就職を左右する企業の求人の動きを注視する。

 3年生277人のうち4月8日現在で174人が就職を希望する郡山北工高。1日は、昨年の公開初日よりも多い県内外の約60社から求人があった。進路指導部長の佐藤武士教諭(56)は「初日だけで状況は判断できないが、ひとまずほっとしている」と話した。

 ただ、求人公開を前に企業から寄せられた採用方針の説明件数は148件(県内50件、県外98件)と、昨年の6割ほど。「新型コロナの影響で次年度の採用計画を立てにくかったり、高卒者を採用する余裕がなかったりするケースがあるのかもしれない」とみており、求人数については「今後の状況をよく見ていく必要がある」と話す。

 同校では、感染症の影響から例年実施している企業を集めての校内説明会を中止。代わりに、インターネットなどで企業のことを調べ、企業に質問票を送るなどの授業を行っている。電力会社への就職を希望する男子生徒(18)は「企業の人からじかに話を聞く機会がなくなったのは残念。でも、こういう状況の中でもいろいろな方法で企業のことを知る機会をつくってもらえるのはありがたい」と話した。

 前年より件数減、労働局働き掛け

 福島労働局によると、6月30日までに受理した高卒者向けの求人件数は2305件(前年同期比300件減)、求人数も6084人(同1341人減)と前年を大きく下回る。同局によると、緊急事態宣言の影響で企業活動が停滞し、遅れて求人を出す企業が多かったと分析。今後は企業に求人を出すよう働き掛けていくという。

 各校も求人の確保に工夫する。福島商高では新型コロナによる企業の来校自粛もあり、本年度の企業による来校は7社にとどまった。こうした状況を受け、教諭らは高卒就職の求人情報が掲載されている専用ウェブサイトから求人情報を探し、今年は昨年を上回る80社程度を生徒に公開した。

 同校でも企業説明会などは開けない見通しで、進路指導主事の安田宗章教諭(46)は「今年は例年と比べて就職が厳しくなると思うので、不明点は適時企業に直接電話をして確認するなど手厚く生徒をサポートしたい」と話す。

 事務職などを希望する会計ビジネス科の女子生徒(17)は「職場見学ができない企業が増えている。実際に職場を見ないで進路を決めることに不安を感じる」と話した。