老舗うなぎ店「えびや」 事業承継支援ファンド投資・県内第1号

 
ファンドの資金供給を得て改装された会津若松市の老舗うなぎ店「鰻のえびや」

 福島県会津若松市馬場町の創業118年のうなぎ店「鰻(うなぎ)のえびや」は、東北の中小企業の事業承継支援などを進める「ダッチャファンド」の投資先県内第1号として資金供給を受け、店舗を改装した。明治創業の老舗は随所に建設当時の古さを残しながらも新しく生まれ変わり、9日にオープンする。

 梁(はり)や柱をほぼそのまま生かしながら、玄関部分を直したり、しっくいを塗り直すなど改装。2階大広間には京都府宇治市の絵師福井安紀(さだのり)さんが「鶴ケ城と桜」など会津の魅力を発信するふすま絵を描き、古さと新しさが融合した店舗になった。

 東京でハウスメーカーの営業を担当していた大場善彦さん(49)が5代目店主として跡を継ぎ、妻昌代さん(50)と二人三脚で店を切り盛りする。大場さんは「炭で焼く本物のうなぎ料理を味わってほしい。100年以上の歴史も体感してほしい」と抱負を語る。

 ダッチャファンドは、経営状態が良くても後継者がいないため事業承継できないなどの課題解決を目的に昨年設立された。運営会社のダッチャキャピタルの会長は、宮城県内の会津出身者らでつくる「みやぎ会津会」会長の須佐尚康(たかやす)さん(東洋ワーク社長)が務めている。将来性などを基準に投資先や投資額を決めている。えびやへの投資額は2千万円。投資は4例目という。

 今回は地元の会津若松商工会議所と同ファンドが連携、支援した。3日に同市で開いた合同記者会見で、須佐会長が「市民パワーが地方創生の基本。『長い歴史にピリオドを打ってはいけない』という5代目の熱意が感じられた」と説明。渋川恵男(ともお)同商議所会頭は「今後も継続して支援できる体制を構築していきたい」と述べた。