あなたの性尊重します「だれでもトイレ」 福島大LGBT学生支援

 
福島大に設置された「だれでもトイレ」。学内で多様な性を尊重する取り組みが始まっている

 「だれでもトイレ」「自認する性別に基づく通称の使用」―。福島大で性的少数者(LGBT)など多様な性の在り方を尊重する動きが始まっている。

 福島大は本年度、LGBTに関する理念と対応指針を初めて策定した。正しい理解と偏見や心の壁を取り払うことにつなげようと、LGBTの学生の支援を本格化した。

 学生が自認する性別に基づいて名前の変更を認めた。現在は学生が申し出れば、学生証や授業の受講者名簿を通称に変えることが可能となっている。

 外見と心の食い違いによる悩みの種の一つであるトイレについても対応を取った。文字通り誰でも使えるよう名付けた「だれでもトイレ」を学内に18カ所設置。LGBTのためだけでなく、障害者にも利用しやすい環境にした。

 同大が学生を対象にした生活実態調査では、性別の欄が「男」「女」「その他」の3種類に分かれている。学生の中には「その他」を選んだ学生もおり、大学側は性について悩む学生が一定程度いる実態を把握したことなどが、取り組みを本格化するきっかけとなった。

 学生の一人は「自分のことを認めてもらえるという安心感を得たり、ありのままの性を尊重してもらえる環境への一歩」と話し、大学の取り組みを歓迎する。

 ジェンダー・セクシュアリティー研究の専門家である前川直哉特任准教授は「バリアフリーの概念と一緒。誰かが不便と感じることがあれば、それは環境が悪いということ」と話し、取り組みを評価する。

 同大にはLGBTについて考えるサークル「福島大学にじいろサークル」がある。サークルでは、当事者の居場所づくりなどを目的とした交流会を定期的に開いている。メンバーの学生(23)=人間発達文化学類4年=は「多様な性の在り方があることを少しでも認識してもらい、より性にとらわれずに過ごしやすい大学になれば」と期待した。

 5.5%性的指向悩む 県調査

 県が昨年11月に実施した「男女共同参画・女性の活躍促進に関する意識調査」では、初めてLGBTに関する調査項目が設けられた。

 調査対象は県内の20歳以上の男女(651人が回答)で、性的指向に悩んだ経験の有無についての質問では、全体の5.5%が「ある」と回答した。

 3割は「LGBTの人が偏見や差別で生活しづらい社会だと思う」と答え、環境の改善を望む声があった。