ウイルスの働き抑制する治療薬開発始動 福島医大と製薬会社連携

 

 福島医大と製薬会社の第一三共、富士フイルム和光純薬などが連携して新型コロナウイルスの治療薬開発を目指すプロジェクトが10日、本格始動した。抗体を体内に注射したり、鼻や喉に噴霧したりすることで、ウイルスの働きを抑える医薬品の承認が目標だ。実用化を急ぐため、医薬部外品としての製品化も視野に入れる。

 抗体は、ウイルスなどの病原体が体内に侵入した際に、病原体と結び付き除去する働きがある。福島医大の医療―産業トランスレーショナルリサーチセンターが開発したタンパク質の解析技術で、新型コロナウイルスタンパク質に結合する抗体を見つけ出すための研究を続けている。

 現在はウイルスを除去したり、除去できなくとも感染者が重症化しない働きをする抗体と、それを生み出す遺伝子の特定を進めている。

 抗体の培養技術を持つ製薬会社と連携し、有効な抗体を大量に供給することで予防薬や治療薬を実現するのが狙いだ。

 これまで亀岡偉民文部科学副大臣(衆院比例東北)の主導で準備してきたが、福島医大の竹之下誠一理事長が総括者を引き継いだ。

 国会内で10日に開かれた関係者の全体会議では、竹之下理事長が「福島の抗体が人類を救うとの思いで準備してきた。一刻も早く治療薬や予防薬の開発につなげたい」と決意を述べた。

 亀岡氏は「選手が来夏の東京五輪・パラリンピックに安心して参加できるようになる可能性が高まる」と強調し、同席した橋本岳厚生労働副大臣にプロジェクトへの支援を働き掛けた。