県内景気判断引き上げ 一部持ち直しの動き、日銀福島支店

 

 日銀福島支店は16日、6月の県金融経済概況を発表、県内景気の総括判断を1年9カ月ぶりに引き上げた。本県経済は依然として新型コロナウイルスの影響を受けているが「一部に持ち直しに向けた動きがみられ始めている」とし、4月と5月の「悪化している」から6月は「厳しい状態にある」に表現を変えた。

 新型コロナに対応する緊急事態宣言の解除後、自動車の訪問販売や営業活動の再開、県民限定の宿泊割引制度による旅館・ホテルの客足回復など一部で持ち直しの動きがあった。ただ、県内景気はリーマン・ショック後の2009年2月から震災前の11年2月に近い低水準となっている。

 中山興支店長は福島市で記者会見し「新型コロナの収束が見通せない中、単月だけでは底打ちとまでは言い切れない。今後も注意が必要だ」との認識を示した。

 項目別は、個人消費を上方修正する一方、雇用・所得を下方修正した。

 個人消費は、本県の5月の主要小売業販売額は食料品や日用品を中心に前年を上回り、外食や旅行などのサービス消費も回復の兆しがあった。主要観光施設の入り込み客数は昨年平均を100とした場合、4月が22、5月が7、6月が26だった。雇用・所得は、5月の有効求人倍率がバブル崩壊後の1992年8月以来の下落幅。ほかの項目は判断を維持した。

 県内の5月末時点の実質預金は10兆3414億円(前年比4.4%増)、貸し出しは4兆7808億円(同3.4%増)で、いずれも調査を開始した99年1月以降で最高を記録した。

 県内の13銀行、8信用金庫、6信用組合の全店舗から集計。中山支店長は「県内の金融機関が積極的に融資を拡大し、企業をサポートしていることが数字に反映されている」と説明した。