『郡山モデル』全国発信!要介護認定のAI活用 自治体提供へ

 

 郡山市とNTTデータ東北(仙台市)は27日、時間や手間がかかる要介護認定事務に人工知能(AI)の言語処理技術を活用する技術を確立したと発表した。現在は人の目で行っている認定事務の一部をAIに任せることで、申請から通知までの期間を7~10日程度短縮できるようになる。同社はこの技術を「郡山モデル」として発信し、来年にも全国の自治体への提供を始める方針。

 郡山市と同社によると、要介護認定にAIを活用するのは全国初の取り組み。高齢化によって要介護認定者は増加傾向にあり、全国の自治体で導入が進めば、共通の課題となっている認定手続きの迅速化につながる。市が全国の中核市を対象に行った調査では、回答した44自治体の86%がこの技術を活用したいと答え、全国でも関心が高いという。

 AIを活用するのは、調査員が聞き取った「認定調査票」にある生活機能や認知機能などに関する69項目の選択内容と、その根拠となる可能な動作などで記述が合っているかどうかを確認する作業。市によると、この作業は複数の職員が3~4回かけて行っているため、1件当たり計30分ほどの時間を要し、認定事務の中でも大きな負担になっている。

 同市の3月末の要介護認定者は1万5823人で、介護保険制度が始まった2000(平成12)年の約2.8倍となっている。こうした状況から、申請から認定までは本来30日以内と義務付けられているが、市の場合は平均で44日かかっているのが現状だ。

 市と同社は昨年12月に協定を締結。市民1000人分の過去の申請データをAIに学習させ、調査票の整合性を正確に判断できるかどうかを検証し「商用に耐え得る精度に達した」と判断した。今後は利用環境の整備などを進めた上で、来年1月にも試行版の提供を始め、3月の本格導入を目指す。市も、来年度からの導入を検討している。

 同社の浜功明社長は市役所で検証結果を報告し「全国的に要介護認定事務へのAI活用事例がない中、今回の実証成果を『郡山モデル』として展開し、同じ悩みを抱えている自治体に貢献したい」と述べた。品川萬里市長は「手続きを迅速化し、判定を早く届けられるようにしたい」と話した。