前日作業の男性「店内で異臭」 郡山の爆発、ガス漏出の可能性

 
ガス爆発が起きたとみられる現場を調べる警察と消防=31日午前11時ごろ、郡山市

 郡山市の飲食店「しゃぶしゃぶ温野菜郡山新さくら通り店」で7月30日朝に起きた爆発事故で、前日の29日に内装作業などをしていた男性が「店内で異臭がした」と証言していることが31日、関係者への取材で分かった。男性は午前8時半ごろから午後8時ごろまで作業をした。異臭はプロパンガスの可能性もあるという。県警や消防は、漏れたガスが爆発のあった30日朝までに店内に充満し、何らかの原因で引火して爆発したとみて調べている。

 仙台市の会社員、男性(50)の遺体がガスコンロなどのある店内の調理場付近で見つかっていたことも判明した。男性は1人で現場を訪れ、店舗東側にある関係者用出入り口のセキュリティーを解除した。爆発は店に入って間もなく起きたとみられる。

 男性が勤務する設計施工会社の小西造型(仙台市)などによると、男性は29日、現場監督として午後8時ごろまで作業をする計画で、30日は午前8時すぎに「郡山に着いた」と連絡があったという。29日は、異臭がしたと証言している下請け業者の男性が内装作業などを行い、別の業者の男性が午後2時半ごろから1時間、コンセントを取り付ける作業をした。

 郡山署が31日に行った司法解剖の結果、男性の死因は胸を損傷したことによる肺挫傷と判明した。

 郡山地方消防本部は31日、爆発による建物外観の被害が184棟に及んだことを明らかにした。現場から500メートル以上離れた放送大学福島学習センターや開成山大神宮でもガラスが割れるなどの被害があった。

 県警や消防本部、総務省消防庁は31日午前9時すぎから合同で現場検証を行い、爆発原因の特定につながるものがないか探した。1日以降も現場検証を続け、県警は業務上過失致死傷容疑で捜査する。

 「防火管理者」選任せず

 郡山地方消防本部は31日、2018(平成30)年12月に立ち入り検査した際、経営する会社が防火管理者を選任せず、火災時の避難手順などを決める消防計画も策定していなかったと発表した。改善の報告書は提出されていないという。

 爆発は30日午前9時ごろに発生。男性が死亡したほか、現場周辺にいた20~80代の男女19人が骨折などのけがをした。