「福島から伝えたい」新しい歌発信 震災10年へ本県ゆかり16人

 
レコーディングに臨むnappoさん=7月18日、郡山市

 東日本大震災から10年の節目を迎える来年に向け、本県ゆかりのミュージシャン16人が結集し、新しい「福島の歌」づくりを進めている。「震災、原発事故と闘い、一歩ずつ前に進んできた福島人だからこそ、世界に伝えられることがある」。新型コロナウイルスや豪雨災害など、さまざまな困難と向き合う国内外の人々に向けて、県民の歌声を乗せたメロディーを発信し、元気を届ける。

 企画したのは南相馬市のシンガー・ソングライターnappo(なっぽ)さん(46)、いわき市の音楽グループ「メヒカリボーイズ」のラッパーDAZU―O(ダズオー)さん(37)の2人。

 7月24日、16人が奏でた"アーティスト版"の曲が動画投稿サイト「ユーチューブ」で公開された。曲名は「Pray from Fukushima」(プレイ・フロム・フクシマ)。「福島から伝えたい」という思いを込めた歌詞と明るいメロディーでまとめた。

 「福島の人が発する『頑張ろう』の言葉は、とても説得力がある」。国内で新型コロナが感染拡大した4月、ある東京都民がなっぽさんに送ったメッセージが活動のきっかけになった。

 南相馬市と東京都杉並区の子どもたちによる歌と踊りの交流団体代表を務めるなっぽさんは当時、自由に外出できない都民を応援しようと、同市産食材を贈る支援活動を行っていた。「震災、そして放射能という"目に見えない敵"と向き合ってきた私たちの言葉には力がある」となっぽさんは考えた。友人のダズオーさんに声を掛け、プロジェクトが始動した。

 新型コロナの影響で表現の場を失っていたアーティストが次々と賛同した。閉校し解体される浪江小、JR郡山駅前、南相馬市の東ケ丘公園など、それぞれが思い出の場所で収録した。URLはhttps://www.youtube.com/watch?v=KCd5oG0pwCk

 参加ミュージシャン

nappo(シンガー・ソングライター)DAZU―O(メヒカリボーイズ・ラッパー)狐火(ラッパー)MANAMI(シンガー)Ryder(ラッパー)ave(シンガー)高畑ひらく(シンガー)RYUJI(メヒカリボーイズ・ラッパー)三ヶ田ケイゾウ(シンガー)菅野潤(シンガー)牛来美佳(シンガー)anna(シンガー)岩崎淳一(吉田タンス店・ギター)江井秀一郎(ベース)鈴木瞬(UNLIMITED ABSOLUTE・ベース)安斎拓磨(ドラム)

 きょう喜多方で収録、来夏までに「完成版」

 今後、県民にサビを歌ってもらい、来夏までに"完成版"を制作する。県内10カ所で収録し、地域ごとの"地域版"の曲も次々とリリースする。初回は2日午後4時、喜多方市の百日紅館で開催する。

 ラップを担当するDAZU―Oさんは「10年前のバックボーンを背負い、一人一人の心に語り掛けるよう歌った。一緒に、県民の一曲を作ろう」と呼び掛けた。問い合わせはなっぽさん(メールprayfromfukushima@gmail.com)へ。