ファン注目!天才石工3代残した「狛犬」 顔など特徴それぞれ

 
小松寅吉の狛犬。座らずに飛んでいる珍しい狛犬で、迫力ある力強い目をしている=白河市東地区・鹿島神社

 県南地方で、「天才石工3代」と呼ばれた石工たちが残した狛犬(こまいぬ)に注目が集まっている。雲に乗って空を飛ぶ躍動感あふれるデザインや、神社を訪れる人を見守る穏やかな表情などが人気で、狛犬巡りのツアーなども行われている。地元有志でつくる県県南地方狛犬ネットワークは「お気に入りの狛犬を探してみて」と呼び掛けている。

 特徴ある狛犬を県南地方に残した石工は、江戸末期から大正時代まで活躍した小松利平、小松寅吉、小林和平の3師弟。初代の利平は現在の長野県である信州高遠で1804年に生まれ、旅石工として活躍する。浅川町で産出される「福貴作(ふきざく)石」と呼ばれる細工しやすい良質な石に引かれ、同町に移住。そこで弟子を募集し、才能を見込んで養子に迎え入れたのが寅吉。その寅吉に弟子入りしたのが和平だ。

 利平の代表作は、棚倉町の八槻都々古別神社や石川町の沢井八幡神社の狛犬で、端正で上品な顔立ちが人の心を和ませる。異彩を放つのは、2代目の寅吉の作品。白河市東地区の鹿島神社や中島村の川原田川田神社などにある狛犬は、雲に乗る独創的な構図で「飛翔獅子」とも呼ばれる。寅吉の技を継いだ和平の狛犬は丸みのある柔らかさが特徴で、古殿町の古殿八幡神社や須賀川市の保土原神社などに納められている。

 県県南地方狛犬ネットワークは、狛犬を地域おこしにつなげようと年に1回のツアーの開催やパンフレット、ガイドブックの作成に取り組んでいる。昨年のツアーには県内外から50人の「狛犬ファン」が集まる人気だった。

 同ネットワークの相田道代会長は「狛犬を制作した石工により、かわいさや力強さなど特徴が分かれる。狛犬を見ていると『神様を守っているんだな』と感じて気持ちが引き締まる」と魅力を語る。ただ、狛犬が居る神社は神聖な場所。SNSなどに狛犬の写真をアップする際も、神社の管理人などに一声掛けるのがマナーだ。

 現在、ネットワークではさらなる活動を展開しようと会員を募集している。相田会長は「県南は狛犬の宝庫。みんなで文化を守り続けていきたい」と語る。入会金2000円、年会費無料。問い合わせは同ネットワーク(電話090・1493・6632)へ。