飲食業者...『試行錯誤の夏』 コロナに負けない!新業態に活路

 
ドライブスルー方式で郡山グルメを提供したフードフェス=14日、郡山市

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う県内事業者への休業要請が解除されてから、15日で3カ月となる。飲食業者らは「いざ再出発」と意気込んだが、客足が戻りきらないうちに再び感染が拡大しているような状況だ。「新しい生活様式」に対応し、テークアウトやイベント開催などの新たな業態に活路を求めながら、我慢の夏を迎えている。

 郡山市では14日、ドライブスルー方式でフードフェスを楽しむことができる「ドライブinフェスタ」が開かれた。同市の飲食店など約15店が出店。ブランド野菜の料理や地ワインなど約40種類のご当地グルメを提供し、車からでも屋台気分が味わえるようにした。

 実行委員長の鴫原和義さん(39)は「新しい生活様式でも楽しめるよう工夫したイベントで地域を元気にしたいと思った」と話した。出店企業はそれぞれに厳しい台所事情を抱えるが、心を合わせて会場のにぎわいを創出していた。

 「7月に客足が戻りつつあったが、最近の感染者の増加でキャンセルが増えた」と語るのは、いわき市平の酒と食の工房「Piccolo(ピッコロ)」を経営する男性(46)。同店では、4月に導入したテークアウトメニューが、収入の柱に成長した。

 「おいしいままを届けたい」と、食事の時間を聞いて1時間前に調理するなど、味を落とさないよう工夫する。「接客も含めて本当は店で味わってもらいたい」という思いもあるが、限定メニューの開発などの努力を重ねている。

 会津若松市の居酒屋「権兵衛」では、休業要請解除後も、大規模な宴会の予約はほとんどない。オーナーの男性(42)は「従業員の暮らしを守らなければ」と気合を入れ直す。

 同店アルバイトで、会津大4年(22)は月7万円をアルバイトで稼ぎ、生活費などにしてきた。しかし、店の売り上げが落ち込んだ春先の収入は月3万円ほどに減った。

 感染防止の工夫を進め、個人の客数は今月に入り6~7割まで回復した。男性は「応援で訪れてくださる方もいる。コロナに負けられないよ」と語った。

 福島市の中国料理珍満賓館も、会社の歓送迎会などの団体客が戻らない。団体客でにぎわうはずの客室で、女将(おかみ)(73)は「今は来てくれるお客さんを笑顔にして、また来たいと思ってもらえるよう頑張りたい」と前を向く。

 店長の男性(64)は「経営は正直厳しい」と話す。持続化給付金や無利子の融資も受けた。ただ、返済の据え置き期間は3年という。男性は「いつまでこの客入りが続くか分からないからこそ、据え置きは3年と言わず、柔軟に延ばしてくれると経営の安心材料になる」と話した。