福島県から遺族3人参列 全国戦没者追悼式、尾形さん代表献花

 

 終戦から75年を迎えた15日、政府主催の全国戦没者追悼式が東京都千代田区の日本武道館で行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で、20府県の遺族が欠席となったが、参列者は戦没者約310万人を悼み、不戦の誓いを新たにした。

 全国戦没者追悼式には本県から遺族3人が参列し、正午に合わせて黙とうをささげた。本県遺族を代表して福島市の尾形伊勢雄さん(82)が献花し、犠牲者の冥福を祈った。

 例年は47都道府県から各55人が参列していた。しかし、今年は新型コロナウイルス感染防止のため、式典の規模を縮小し、都道府県ごとの参列者が最大20人に限られた。

 県によると、都内の感染状況を懸念して辞退する遺族もおり、参列者が3人にとどまった。

  福島県内でも追悼行事 平和な暮らし感謝

 終戦の日の15日、県内各地でも戦没者の追悼行事が行われ、出席者が戦没者の冥福と平和を願った。

 喜多方市の花園公園忠霊塔前では「戦没者を追悼し平和を祈念する日」の行事が行われた。新型コロナウイルス感染症対策として、同市遺族連絡協議会長の山本佑一郎さん(86)、遠藤忠一市長、斎藤勘一郎市議会議長の3人だけが参列。3人が追悼のことばを忠霊塔に供え、献花した。

 父親を太平洋戦争で亡くした山本さんは「戦後75年だが、戦争中のことは昨日のことのように思い出す。遺族会の会員が減り続けているが、慰霊の務めはこれからも果たしていく。当たり前の日常、平和な暮らしに感謝して生きていきたい」と話した。

 3世代そろい参拝 福島・県護国神社

 福島市の県護国神社で15日、終戦記念英霊感謝祭・疫病退散祈願が行われ、訪れた参拝者が平和への思いを新たにした。
 例年は遺族関係者ら約70人が社殿に参列していたが、新型コロナウイルス感染防止のため規模を縮小、宮司と権禰宜(ごんねぎ)のみで神事を行った。また戦没者慰霊への思いを込めて毎年、参列者にすいとんが振る舞われていたが、中止となった。

 正午の時報に合わせ、一般参拝者は境内で黙とう。感染症拡大を受け、全国戦没者追悼式への参列を見送った福島高1年の鴫原大(だい)さん(15)=福島市=は、親子3世代で初めて参拝。「戦争を考える特別な日だということを改めて感じた。家族同士の交流を大切にして、平和の尊さを周りに伝えたい」とビルマ(現ミャンマー)で戦死した曽祖父長一さんをしのんだ。

 冨田好弘宮司(55)は「例年通りの形でできなかったことは残念だったが、国のために命をささげた英霊への慰霊の気持ちは変わらない」と話した。