クマのAI感知実証実験、範囲を拡大 会津大開発、3町村に装置

 

 会津大のチームが開発した人工知能(AI)を活用してクマの注意喚起などに役立てる装置の実証実験が19日、会津美里町八木沢地区で始まった。AIがクマを認識するとサイレンを鳴らしたり、メールなどで情報発信する仕組みで、実験は11月まで行われる。

 実証実験は2018(平成30)年も実施したが、今回は県の委託事業の一環として装置を設置する範囲を広げ、本格的に調査する。同町のほか、クマの目撃が多い柳津町と北塩原村の計3地区に設置し効果を検証する。

 装置を開発したのは同大の斎藤寛上級准教授らのチーム。中山間地域では、目撃者の通報から警察などの到着まで数十分以上かかることもあり、近隣住民の逃げ遅れを防ごうと18年から研究を進めてきた。

 装置は、小型カメラとセンサーの一体型で、草むらなどに設置する。動物を撮影するとAIが学習した数万枚の画像と照らし合わせてクマかどうかを判断。クマと判断したらサイレンを鳴らして地域住民に知らせる。また、同大に設置したサーバーを通じ、インターネットの専用ページやメールなどで発見場所や時間などを情報発信する。

 クマの発見からサイレンが鳴るまでは約10秒、メールなどでの情報発信完了までは約1分30秒で、短時間で注意喚起できるという。

 同大のチームによると、雨や濃霧など気象条件が悪くても、クマと正しく判断できるかが課題。実証実験では精度を高めるため、動く物体を自動で撮影する「トレイルカメラ」を取り付けて画像を撮影、画像を受信したサーバーのAIもクマかどうかを判断する仕組みにした。

 斎藤上級准教授は「安全・安心な地域づくりに役立てるよう、実証実験を通じてよりよいシステムに成長させたい」と話している。