福島牛は香りよし!米沢、松阪牛に負けず 福島大・吉永准教授

 

 福島大食農学類の吉永和明准教授(36)は、食品の香り成分を分析する機器を使い、福島牛が日本三大和牛の米沢牛や松阪牛と遜色ない香りを含んでいることを突き止めた。県産牛は東日本大震災後、卸売市場平均価格の全国平均との価格差が縮まらない状況が続いており、「香り」が県産牛の新たな付加価値となることが期待される。

 吉永氏は「福島牛のブランド化と全国との価格差を埋めるきっかけになれば」と期待。県内産地や関係機関と連携、消費拡大につなげたい考えだ。

 吉永氏によると、和牛は「和牛香(わぎゅうこう)」と呼ばれる特有の甘く、脂っこい香りを持ち、和牛香はおいしさの評価の指標の一つとされている。この香りには、香り成分の「ラクトン類」が関与しているという。

 研究では、福島牛、米沢牛、松阪牛のほか、アメリカとオーストラリア産の輸入牛を使用。それぞれの肉の脂を抽出した後、160度の熱湯で2時間加熱、ラクトンの量を分析計を使って計測した。

 その結果、3種類の和牛には輸入牛と比べて香り成分が豊富に含まれていた。さらに、福島牛は米沢牛や松阪牛と同等の香り成分があり、特にココナツやクマリンなどの香り成分を多く含んでいることが分かった。

 福島牛は黒毛和牛で品質が高いが、流通先では国産牛と標記される場合があるなど、東京電力福島第1原発事故による風評被害が続く。さらに、新型コロナウイルスによる消費低迷もあるといい、吉永氏は「落ち込んだ需要を回復させる材料にしてほしい」と話した。

 論文は、オランダの「エルゼビア」が出版する食品科学誌「LWT」に掲載される。