『9割超』アレルギーに直接作用なし 食品中のトランス脂肪酸

 

 福島大食農学類の桐明絢客員准教授(34)は、人体への有害性が指摘されている食品中のトランス脂肪酸の9割以上が、アレルギー性疾患症状の炎症には直接作用しないことを実験で突き止めた。桐明氏は「本当に有害なトランス脂肪酸を特定するとともに、有益なトランス脂肪酸も突き止めるための第一歩」としている。

 実験結果をまとめた論文は、日本油化学会の「ジャーナル オブ オレオ サイエンス」の9月号に掲載される。

 桐明氏によると、食品中のトランス脂肪酸のうち9割以上を13種類の型が占めるが、どの型がぜんそくやアトピー性皮膚炎などアレルギー性疾患に関与しているか、これまで分かっていなかった。

 実験では、免疫に関わる細胞をプレートに乗せ、それぞれ13種類のトランス脂肪酸との反応を調べた。その結果、アレルギー炎症が起きる場合の反応が確認されず、13種類のトランス脂肪酸が直接、炎症を引き起こす原因にはならないことが分かった。

 実験結果から、トランス脂肪酸が元々炎症に関係しないか、残る1割未満の型が作用している可能性が推測されるという。桐明氏は「食品の安全性を追求する上で重要なデータ」と意義を語る。

 トランス脂肪酸を巡っては、2015(平成27)年の食品安全委員会の報告書で「肥満、アレルギー性疾患などとの関連が認められる」と指摘されているほか、「アレルギー性疾患の患者はトランス脂肪酸摂取量が多い」との疫学調査に基づいた報告も出されている。