「事業承継」中小企業も支援!福島県、新型コロナで対象拡大へ

 

 企業の事業承継が課題となる中、県は本年度、小規模事業者向けに展開してきた事業承継の補助対象を拡大する。経営者の高齢化や後継者難にコロナ禍が追い打ちをかけていることから、県内企業の9割以上を占める中小企業を対象に加え、地域経済と雇用を維持する。

 県は昨年度から「ふくしま小規模企業者等いきいき支援事業」と銘打ち、小規模事業者が円滑な事業承継に取り組む場合、経費として最大30万円を支援。さらに地域の商工団体が計画づくりから事業実施後まで企業に寄り添う「伴走型」の支援を展開している。本年度は当初予算で約5000万円を確保し、補助上限を50万円に引き上げるなど体制を強化した。

 新型コロナウイルス感染症の影響で県内の幅広い業種で業績が悪化したことから、県は事業継続と地域経済の維持に向けて事業規模に関わらない支援が必要として大企業を除くほとんどの企業に対象を拡大。補助率もこれまでの3分の2から4分の3に引き上げ、6月補正予算に関連経費約1000万円を盛り込んだ。

 帝国データバンクによると、昨年、後継者難などを背景に県内で休廃業・解散したのは424件(前年比78件増)に上り、東北で最も多かった。全国では2万3634件(同608件増)で3年ぶりの増加に転じた。得意先などの休廃業・解散で販路を失って事業を断念するケースも多く、影響が広範囲に波及している。

 今年は新型コロナでさらなる状況悪化が懸念されるため、県は、事業用資産の取得などに活用できる事業承継資金制度の周知に加え、経営指導員や中小企業診断士、税理士などの派遣事業を継続。企業が培った技術やノウハウの円滑な引き継ぎを後押しし、影響を最小限に食い止めたい考えだ。

 新型コロナの影響で、年内に休廃業や解散に追い込まれる企業が全国で5万件を超える可能性も指摘されている。県は「事業承継は県内経済の大きな課題。新型コロナ対応と合わせて支援を継続していく」(経営金融課)としている。