悲運の「お順」掛け軸 慧日寺資料館幽霊画展、「初代」報道記事も

 
お順の掛け軸などが並ぶ会場。右の掛け軸が初代のもの。左の掛け軸は初代が行方不明になった後に作られたもの

 磐梯山慧日寺資料館の企画展「異界から参りました ふくしまの寺蔵幽霊画展」の後期展示が18日、磐梯町の同館で始まった。悲運の死を遂げた女性「お順」の幽霊が描かれた掛け軸をはじめとした松沢寺(会津美里町)所蔵の幽霊画や金性寺(南相馬市)の骸骨画計15点が並ぶ。9月22日まで。

 松沢寺のお順の掛け軸は現在、同町の長福寺に保管され、毎年1回、お盆の送り日に松沢寺で公開され法要が営まれている。

 お順の掛け軸は松沢寺に二つある。寺宝であった初代のものは江戸時代中期、同寺の住職が描いたとされる。お順が最愛の夫を亡くした悲しみの中で、夫の子を宿したまま亡くなり、夫の霊を鎮めたいという願いをかなえるために幽霊となって寺に現れ、住職が戒名を付けると成仏したという言い伝えを残す。

 初代の掛け軸は明治時代ごろ寺の無住化に伴って、行方が分からなくなり、2代目の掛け軸が作られた。初代の掛け軸は多くの人の手を転々とし、1984(昭和59)年7月末、約110年ぶりに松沢寺(当時会津高田町)に戻った。このことは福島民友新聞でも報道されており、同展では当時の記事が紹介されている。

 また、骸骨画の巻物や掛け軸を展示。骸骨たちが酒盛りをしたり、盆踊りを踊ったりしているなど、ユーモラスに描かれているが、この世のはかなさ説くものが多いという。問い合わせは同館へ。