復興拠点外「一括解除を」 双葉町の帰還困難区域、方針転換

 

 双葉町が東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域全域の避難指示解除の方向性について、これまで国に求めてきた特定復興再生拠点区域(復興拠点)の拡大ではなく、帰還困難区域全体の一括解除を目指す方針に転換したことが27日、分かった。

 新方針の下、町は今月上旬から国への要望活動を開始。町は復興拠点の解除目標を2022年春としており、復興拠点以外の帰還困難区域の方向性について、遅くともこの時期までに示すよう国に求めた。

 方針転換の根幹には、国が可能性として示す復興拠点の段階的な拡大といった地域で区切る対応では、町民の新たな分断につながりかねないとの懸念がある。

 伊沢史朗町長は27日、福島民友新聞社の取材に「復興拠点の段階的な拡大では、町民の不安の解消につながらない。全ての町民が将来の見通しを持てるよう、国に早期の方針提示を求めていく」と話した。

 復興拠点以外の帰還困難区域全体で除染対象となるのは、民家や農地、生活圏に近い山林など。町によると、その大半を占める拠点外の農地の面積は約530ヘクタールで、町全体の面積の約10%に当たる。現在の復興拠点の面積約555ヘクタールとほぼ変わらず、除染を実行できる可能性が高いことや、町全体の空間放射線量が、放射性物質の自然減衰などで事故当初よりも大幅に低減していることなどを踏まえ、方針転換した。一方、山林など放射線量が高い場所の除染も引き続き求めていく。