安倍晋三首相「辞意」表明 最長7年8カ月、持病再発し継続困難

 
会見で辞意を表明する安倍首相が映し出されたテレビを見る市民=28日午後5時ごろ、福島市・ケーズデンキ福島南本店

 安倍晋三首相(65)は28日、官邸で記者会見し辞任する意向を表明した。体調が悪化し、首相の職務を継続するのは困難と判断、退陣を決めた。「安倍1強」を誇った最長政権は2012年12月の第2次内閣発足から約7年8カ月で幕を閉じる。

 「福島の復興なくして日本の再生なし」 視察重ね、第一声も

 「福島の復興なくして日本の再生なし」。辞意を表明した安倍晋三首相は2012(平成24)年12月の第2次安倍内閣発足以来、本県の視察を重ね、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの本県復興に強い意欲を示してきた。

 直近では今年3月7日に双葉郡を巡った。新型コロナウイルスの感染拡大で震災の政府追悼式が中止となったことを受け、浪江町の大平山霊園を訪れ津波犠牲者の慰霊碑に献花。「3月11日は被災地の皆さんや日本にとって忘れ得ぬ日であり、忘れてはならない日。それは何年たっても変わらない」と思いを述べた。

 本県復興をアピールする姿勢は公務以外にも表れた。自民党総裁として多くの国政選挙で第一声の地に本県を選び、19年7月の参院選では福島市の果樹園でモモを試食し、演説。「福島県の農産物の輸出は震災前より4割増え過去最高になった。これからも強い外交力をもって規制撤廃に全力を尽くす」と輸入規制緩和に取り組んできた実績を強調した。

 今年6月には復興庁の存続期間を10年延長する改正復興庁設置法や本県復興の取り組みを定めた改正福島復興再生特別措置法など復興関連5法案が成立。28日に緊急会見した内堀雅雄知事も、21年度からの第2期復興・創生期間に向け「組織、制度、財源を確立していただいた」と評価した。

 一方で辞意表明により今夏にも決定されるとの見通しのあった第1原発で増え続ける放射性物質トリチウムを含む処理水の処分方法が次のリーダーの判断に持ち越されることになった。Jヴィレッジ(楢葉町、広野町)が出発点となる聖火リレーを含めた東京五輪・パラリンピックも新型コロナが収束しない現状では開催に不透明感が漂う。来年3月で震災から丸10年の節目を迎える。次のリーダーには県民に寄り添う姿勢はもちろん、本県復興を一層加速させる決断力が求められる。