140年前の伊勢参り日記 美里・先祖らの記録を現代語訳し発行

 
長嶺さん(右)の自宅で見つかった約140年前の伊勢参りの日記

 会津美里町関山の長嶺キヨ子さん(81)は、約140年前に先祖らが行った伊勢参りの旅行記を自宅で発見した。地元の歴史を次代につなごうと、現代語訳版約100冊を発行し、近隣住民に提供している。

 旅行記は、長嶺家の5代前の当主が1878(明治11)年に記したもの。当時から備え付けていた仏壇の引き出しの中から長嶺さんが見つけた。当時の言葉でつづられていたため、知人に現代語への翻訳を依頼し、新たに発行した。

 長嶺さんによると、伊勢参りは関山地区の男性17人で出発。約2カ月にわたって全国を旅した。旅程や宿代の記述が多く、心情までつづった部分はほとんどない。長嶺さんは「(個人の感情よりも)後の時代に伊勢参りする子孫のために記録を残そうとしたのでは」と推測する。

 戊辰戦争で戦地となり、東軍兵士40人が戦死したことで知られる関山地区。同地区の歴史に詳しい鈴木昭一さん(70)は「敗戦から間もない中、賊軍と呼ばれた会津の人がこれだけの人数で全国を旅するのは、どんな扱いを受けるかも分からなかったはず。昔の人はすごい」と話している。