「影芝居」踊り23年間披露 ハワイアンズ・武藤さん最後の演目

 
約23年間踊り手を勤め上げた武藤さん

 いわき市のスパリゾートハワイアンズ内にある世界最大級の露天風呂「江戸情話与市」で約23年間にわたり、影絵で粋な踊りを披露する「影芝居」で来場者を魅了してきた武藤美恵子さん(67)は8月31日、その役目を終えた。「もう後はない。思い切り踊るだけ」と最後の夜の演目に臨んだ。

 武藤さんは1968(昭和43)年に施設を運営する常磐興産に入社。入社前は湯本一中に通いながら、日本舞踊を習っていたという。同校を訪れた当時の人事担当者から、"スカウト"を受けた。入社後はホテルの宿泊者や結婚式の披露宴などで踊りを披露してきたほか、フラガールの指導にも当たった。

 97年に与市がオープンすると、影芝居の踊り手になり、以来約23年間役割を勤め上げた。

 ステージで観客を前に踊るフラガールとは違い、影芝居は踊り手と客の間に障子の壁がある。客の反応を見ることはできないが、与市の受け付けで「踊り手さんですか」などと声を掛けられることや、首都圏から武藤さんの踊りを目当てにやってくる人もいたという。武藤さんは「声を掛けてもらえる時が一番うれしい」と笑顔を見せる。

 与市のリニューアルに伴う引退で、「このような時期が来るのは分かっていたけど、寂しい」とぽつり。同社の勤務は継続し、与市の入り口で人懐っこい笑顔でもてなし続ける。