復活!大門鍋...渡哲也さん愛した味 ロケ宿泊、熱塩温泉山形屋

 
ニンニクと唐辛子が入った特製豚汁の「大門鍋」

 喜多方市の熱塩温泉山形屋は今月、刑事ドラマ「西部警察」福島編のロケで、俳優の故渡哲也さんら「大門軍団」が宿泊した縁から、かつてメニューとして提供していた「大門鍋」を二十数年ぶりに復活させた。社長の瓜生泰弘さん(64)は「(先月亡くなった)渡さんや西部警察のファンに食べてもらい、当時を懐かしんでもらえれば」と期待を寄せる。

 福島編ロケは1983(昭和58)年3月に行われた。瓜生さんによると、当時、石原プロモーションからの依頼で、大量のニンニクと唐辛子が入った野菜たっぷりの特製豚汁の鍋を作り、撮影していた雪深い日中ダムの建設現場に運び、振る舞ったという。体が温まると好評で、瓜生さんは許可を得て、渡さんが演じた刑事役・大門圭介にちなみ「大門鍋」と名付け、その後約10年間にわたり旅館のメニューとして提供した。

 渡さんが8月に亡くなり、本紙でロケ当時のエピソードが紹介されると、取材が相次いだ。渡さんの偉大さを改めて感じたという瓜生さん。当時のことを思い出しながら大門鍋の復活を企画。かつて提供していた時と同じ味を再現し、今月1日、関係者にお披露目した。今月から宿泊客向けのメニューで提供する。

 福島ロケでは約1週間、渡さんや舘ひろしさん(70)、峰竜太さん(68)ら俳優陣とスタッフ約70人が山形屋に宿泊。瓜生さんが鮮明に覚えているのは旅館の部屋で、当時デビューしたばかりの石原良純さん(58)が渡さんに説教されたこと。「良純さんが自分の出番を終えて先に旅館に戻り、リラックスしていたところに、遅くまで撮影していた渡さんらが戻り、『学生気分が抜けていない』と厳しく怒っていた」と振り返る。良純さんが怒られた後に、当時20代だった瓜生さんも渡さんから「この旅館大丈夫か。しっかりやれよ」と叱咤(しった)激励されたという。渡さんの言葉を励みに、新館を増築し、旅館を大きくしてきた瓜生さん。「『何とか頑張って人並みの旅館にしましたよ』と天国の渡さんに伝えたい。渡さんの代わりに良純さんに大門鍋を食べてほしいね」と話す。問い合わせは山形屋(電話0241・36・2288)へ。