政治活動家の姿を追う 映画「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」

 
映画「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」より

 郡山市出身の政治活動家鈴木邦男さんの半生と日常を追ったドキュメンタリー映画「愛国者に気をつけろ!鈴木邦男」が11~24日、いわき市のまちポレいわきで上映される。メガホンを取った中村真夕(まゆ)監督は「鈴木さんの姿を記録することは戦後史の検証になり、今後の日本を考える上でも重要だと思った」と話す。

 映画のトークショーで鈴木さんと出会って不思議な人柄に興味を持ち、2年間密着。なぜ鈴木さんは思想や宗教の枠を超え、さまざまな人と交流を重ねるのかという謎に迫る。「激動の1960~70年代を知る人たちも高齢になり、今のうちに撮影しなければと思って取りかかりました」

 鈴木さんへのインタビューは自宅で行っており、これまでの孤高なイメージとは違って、画面から生活感がにじみ出ているところが新鮮だ。「喫茶店でのインタビューではつまらないし、普段の生活を知りたいから『自宅で取材させてください』とお願いしたら、わりとすんなりオーケーでした」。ただし条件が一つだけあった。「私が女性なので鈴木さんと古くから付き合いがある編集者が同席すること。本当に清貧な人です。読書の時間が生活の大部分を占めている」

 中村監督が考える鈴木さんの魅力とは「フットワークの軽さ」にあるという。「どうして右も左も関係なく、いろんな人と仲良くなれるのだろうというのが撮影の出発点にあった。今の時代の不寛容さとは正反対の存在で、現代と逆行しているからこそ面白い」

 鈴木さんの優しくて実直な人柄も「周囲に人が集まる理由の一つ」と分析する。「今回の撮影を終え、教科書には載っていない戦後史が分かったような気がしています。この不寛容さがはびこる現代だからこそ、鈴木さんの存在をたくさんの人に知ってほしい」

 前作は富岡町に1人で住み続ける松村直登さんを追ったドキュメンタリー映画「ナオトひとりっきり」だった。この続編が次回作になる予定で、タイトルは「ナオト今もひとりっきり」。中村監督は「コロナ禍で大変な状況の東京と、桜が満開の富岡町を対比させる。今秋中に動画を配信したい」と意気込みを語った。

 「愛国者に~」の上映に関する問い合わせは同館(電話0246・22・3394)へ。