抗血小板作用の指標発見、治療薬効果の測定可能に 福島医大チーム

 

 福島医大新医療系学部設置準備室の三浦里織助教、北爪しのぶ教授らの研究チームは、心筋梗塞など冠動脈疾患の治療に使われる抗血小板薬の効果を、患者ごとに判断できる指標を世界で初めて発見した。抗血小板薬の効果を確認する手法はこれまで確立されていなかったため、効果的な治療につながることが期待される。

 福島医大が3日発表した。研究論文はアメリカ科学誌の「ジャーナルオブバイオケミストリー」のオンライン版に掲載された。

 同大によると、血小板は出血時に血液を固めることで、止血する役割がある。一方、血小板が過剰に活性化すると血栓ができて動脈硬化や、心筋梗塞、脳梗塞を引き起こす。

 抗血小板薬による治療は手術の前後や再発予防のため、一般的に行われるが、長期的な服用は出血リスクを伴うとされる。また、効果は患者によって異なり、最適な投与方法の計画策定が求められていた。

 研究では、3種類の「アミロイドベータ前駆体タンパク質」のうち、北爪氏が過去に発見した「APP770」と呼ばれる物質に着目。血球系の細胞では血小板だけが同物質を持ち、血小板が活性化した際に血中に放出されることを突き止めた。

 その上で、冠動脈疾患の患者約280人を対象に分析。その結果、抗血小板薬の投与を受けた患者は、受けていない患者と比べ、APP770の数値が低いことが明らかになった。同物質を測定すると、患者ごとに抗血小板薬の効果の測定が可能になると証明できた。